「和装バッグは小ぶりなほうが上品に見えるけれど、スマホや財布、ご祝儀、ハンカチまで本当に入るの?」
着物で出かけるとき、バッグのサイズ選びに迷う方は多いものです。
結婚式や入学式、七五三、お宮参り、観劇、食事会などでは、上品に見えるバッグを選びたい一方で、必要な荷物が入るか不安になりやすいです。
この記事では、和装バッグ選びで迷いやすい次の3点を解説します。
- 和装バッグに必要なサイズと収納力の目安
- シーンに合うバッグの選び方
- 荷物が入りきらないときの上品な対処法
和装バッグは、大きければ安心というものではありません。
着物姿に合う見た目と、スマホ・財布・ハンカチ・袱紗などが無理なく入る実用性のバランスが大切です。
バッグのサイズ感や収納力の見極め方を知っておくと、当日の荷物に慌てず、着物姿もすっきり整います。
Contents
和装バッグの必要サイズは「見た目」と「収納力」の両方で考える

和装バッグを選ぶときは、「どれくらい入るか」だけでなく、「持ったときに着物姿がすっきり見えるか」まで確認することが大切です。
小ぶりなバッグは上品に見えますが、必要なものが入らなければ当日の不便につながります。
反対に、荷物が入るからといって大きすぎるバッグを選ぶと、装い全体が日常的に見えやすくなります。
加藤咲季さんは、着物で出かけるときはハンドバッグが使いやすく、クラッチバッグは格好よく見える一方で「何も入らない」と感じるほど収納面に限界があることを解説しています(※)。
ここからは、和装バッグのサイズを考えるうえで押さえたい「必要な荷物」「マチと開口部」「詰め込みすぎを避ける判断」の3つに分けて見ていきます。
※参考動画:着物でのお出かけに必要なものとは?
最低限入れたい荷物はスマホ・財布・ハンカチ・リップ・袱紗
和装バッグに入れるものは、まず当日に手元で使うものに絞ります。
結婚式や式典なら、スマホ、財布、ハンカチ、リップなどのメイク直し用品に加えて、ご祝儀袋を入れた袱紗が必要です。
観劇や食事会でも、チケット、交通系ICカード、眼鏡、常備薬などを持つ方は多いため、見た目だけでバッグを選ぶと「入らない」という失敗につながります。
ただし、すべてをメインバッグに入れる必要はありません。
会場で使うものと、移動中だけ必要なものを分けると、バッグの中が整いやすくなります。
たとえば、席で使うスマホ、ハンカチ、リップ、小さめの財布はメインバッグへ。
折りたたみ傘、予備のストッキング、替えのマスク、大きめのポーチなどはサブバッグに入れておくと安心です。
収納力は横幅よりもマチと開口部で決まる
和装バッグの収納力は、横幅だけでは判断できません。
見た目の幅が十分にあっても、マチが薄いバッグは財布やスマホを入れただけで膨らみ、口が閉まりにくくなります。
逆に、少し小ぶりに見えるバッグでも、マチがしっかりあるものは想像以上に荷物が収まります。
特に確認したいのは、マチの広さ、口の開き方、内ポケットの有無です。
マチがあると、財布やポーチなど厚みのあるものを重ねずに入れやすくなります。
開口部が狭いバッグは、ものを取り出すたびに中身を探すことになり、受付や食事の席で慌てる原因になります。
内ポケットがあれば、交通系ICカードやリップなどの小物も迷子になりにくいです。
加藤咲季さんは、サイズが少し小さくてもマチが広いバッグは意外と荷物が入り、「マチの大きさが大事」と解説しています(※)。
和装バッグを選ぶ際は、外寸だけでなく、厚みのある持ち物が入る構造かどうかを見ておくと失敗を防げます。
※参考動画:質問への回答*着物にどんなバッグを合わせますか?
小ぶりでもパンパンに見えるバッグは避ける
上品に見える和装バッグでも、中身を詰め込みすぎると印象が崩れます。
口が閉まらない、形が丸く膨らむ、持ち手の付け根に負荷がかかる状態は、収納力が足りていないサインです。
バッグそのものが高級感のある素材でも、パンパンに見えると生活感が出やすく、着物姿のすっきりした雰囲気を損ねます。
また、バッグの中身が見える状態も避けたいところです。
受付で財布を出すとき、食事の席でバッグを置くときなど、和装では意外と手元に目が向きます。
中がごちゃついて見える場合は、薄手の手ぬぐいやハンカチを上にかけるだけでも印象が整います。
必要な荷物が入りきらない場合は、メインバッグを無理に大きくするより、サブバッグを併用するほうがきれいにまとまります。
メインバッグには席で使うものだけを入れ、移動中に必要な荷物は別に分ける。
この考え方にすると、小ぶりな和装バッグの上品さと、外出時の安心感を両立できます。
フォーマルな和装バッグは小ぶりで上品なサイズが基本

結婚式、入学式・卒業式、七五三、お宮参りなどの改まった場では、バッグも装いの一部として見られます。
着物や帯にきちんと感があるほど、バッグだけが大きく目立つと全体の印象が崩れやすくなります。
一方で、スマホや財布、ハンカチ、袱紗が入らないほど小さいと、当日の動きに不便が出ます。
フォーマルな和装バッグでは、「上品に見える小ぶりさ」と「必要最低限が入る収納力」の両方を確認することが大切です。
ここでは、結婚式や式典に合うバッグの種類、袱紗が入るかどうかの確認、荷物が多い日の分け方を順番に見ていきます。
結婚式・式典ではクラッチバッグや利休バッグが合わせやすい
結婚式や式典で訪問着、付け下げ、色無地などを着る場合は、主張が強すぎない小ぶりなバッグが合わせやすくなります。
クラッチバッグやビーズバッグ、帯地のバッグ、利休バッグなどは、改まった場の着物姿に馴染みやすい選択肢です。
洋装用のパーティーバッグを合わせる場合も、光沢が強すぎるものや装飾が大きすぎるものは避け、着物と帯の雰囲気を邪魔しない色柄を選ぶとまとまります。
ただし、クラッチバッグは見た目がすっきりする反面、収納力は限られます。
そのため、結婚式や式典では「バッグ単体の美しさ」だけでなく、当日持つ荷物との相性も確認しましょう。
小ぶりでもマチがあるタイプ、開口部がしっかり開くもの、袱紗やスマホが斜めにならずに入るものを選ぶと安心です。
見た目を優先しすぎて荷物が入らない場合は、無理に詰め込まず、サブバッグを組み合わせるほうが上品に整います。
袱紗が入るかどうかは事前に必ず確認する
結婚式やお祝いの席でご祝儀を持参する場合、バッグ選びでは袱紗が入るかどうかを必ず確認します。
スマホや財布は小さめに替えられても、ご祝儀袋を入れた袱紗は折り曲げられません。
バッグの横幅が足りない、開口部が狭い、マチが薄くて口が閉まらないといった状態では、受付で取り出すときにもたつきやすくなります。
購入前には、手持ちの袱紗のサイズを測り、バッグの内寸と照らし合わせておきましょう。
外寸では入るように見えても、金具やがま口の構造によって内側が狭い場合があります。
ネットで選ぶときは、横幅・高さ・マチに加え、開口部の広さや内ポケットの位置まで確認すると失敗を防げます。
また、フォーマルな場ではバッグの中が見えないことも大切です。
袱紗、財布、スマホ、ハンカチ、リップを入れた状態で口が自然に閉まるかを事前に確認しましょう。
バッグが膨らむ場合は、財布を薄型に替える、メイク用品をリップと小さな鏡に絞る、予備の荷物をサブバッグへ移すなど、持ち物を調整します。
必要なものがきれいに収まる状態が、フォーマルな和装バッグの適切な収納力です。
荷物が多い日はサブバッグを会場用と移動用で分ける
フォーマルな和装バッグにすべての荷物を入れようとすると、バッグの形が崩れたり、中身が見えたりして、せっかくの上品な印象が弱まります。
特に、折りたたみ傘、替えのストッキング、予備のマスク、メイクポーチ、常備薬、子どもの荷物などは、小ぶりなバッグには収まりにくいものです。
荷物が多い日は、メインバッグとサブバッグを分ける前提で準備しましょう。
メインバッグには、会場内で使うものだけを入れます。
たとえば、スマホ、小さめの財布、ハンカチ、リップ、袱紗などです。
移動中だけ必要なものや、席では使わないものはサブバッグにまとめます。
結婚式場やホテルでは、サブバッグや大きな荷物をクロークに預ける流れにすると、会場内では小ぶりなバッグだけを持てるため、着物姿がすっきり見えます。
セミフォーマル・お出かけ用は「少し大きめのハンドバッグ」が使いやすい

観劇、食事会、同窓会、ホテルでのランチなど、改まった雰囲気はありつつも結婚式ほど厳格ではない場面では、バッグ選びの自由度が少し広がります。
小さなバッグだけにこだわるより、スマホや財布、ハンカチ、メイク直し用品が無理なく入る「少し大きめのハンドバッグ」を選ぶと、当日の動きが楽になります。
とはいえ、収納力だけで選ぶと普段使いの印象が強く出やすいため、色・素材・持ち手の長さで着物に合う上品さを整えることが大切です。
ここでは、マチの広さ、合わせやすい色、ショルダーバッグを避けたい理由に分けて確認します。
マチの広いバッグは見た目以上に収納しやすい
和装バッグの収納力を考えるとき、横幅や高さだけで判断すると失敗しやすくなります。
特に観劇や食事会では、スマホ、財布、ハンカチ、リップ、チケット、眼鏡、常備薬など、細かな持ち物が増えます。
バッグの横幅があってもマチが薄いと、財布やポーチを入れた時点で口が閉まりにくくなり、取り出しにも手間がかかります。
反対に、少し小さく見えるバッグでもマチがしっかりあるものは、厚みのある小物を収めやすく、見た目も崩れにくくなります。
加藤咲季さんは、着物に合わせるバッグとしてハンドバッグをすすめながら、マチの広い大きめバッグを使っていること、サイズがやや小さくてもマチがあると意外と荷物が入ることを紹介しています(※)。
選ぶときは、普段持ち歩くものを実際に並べて、厚みのある順に確認しましょう。
長財布を使うなら横幅だけでなく、入れた後に口が自然に閉まるかを見る必要があります。
小さめ財布に替えられる場合は、バッグの選択肢が広がります。
観劇のチケットや食事会の案内状など、折りたくない紙類がある日は、開口部の広さも重要です。
収納力は「たくさん入るか」ではなく、「必要なものをきれいに入れられるか」で判断しましょう。
※参考動画:質問への回答*着物にどんなバッグを合わせますか?
グレージュ・ベージュ・白系は着物に合わせやすい
セミフォーマルやお出かけ用のバッグは、色選びで印象が大きく変わります。
着物は柄や色数が多いこともあるため、バッグまで強い色柄にすると全体がにぎやかに見えます。
迷ったときは、グレージュ、ベージュ、白系など、着物にも帯にもなじみやすい色を選ぶと使い回しやすくなります。
特にグレージュやピンクベージュは、やわらかさと落ち着きがあり、30代後半から60代前後の装いにも自然に馴染みます。
加藤咲季さんは、グレージュやベージュ系のバッグはどんな柄にも合わせやすく、柄の多い着物には無地のバッグが合わせやすいと解説しています(※1)。
また、白いバッグについても、汚れやすさはあるものの、さまざまな着物に合わせやすい色として紹介しています(※2)。
素材は、革風や上質感のある合皮、布地でもきちんと見えるものが扱いやすいです。
光沢が強すぎるナイロンやスポーティーな素材は、便利でもカジュアル感が出やすくなります。
食事会やホテルでのランチなら、無地で落ち着いた色、短めの持ち手、装飾が控えめなデザインを選ぶと、収納力があっても品よく見えます。
参考動画
※1:私の持ってる着物用バッグすべてご紹介します
※2:質問への回答*着物にどんなバッグを合わせますか?
ショルダーバッグより短い持ち手のハンドバッグが安心
着物でのお出かけでは、肩にかけるショルダーバッグよりも、手で持つハンドバッグのほうが安心です。
ショルダーバッグは両手が空いて便利ですが、肩紐が襟元を引っ張ったり、着物や帯まわりの生地に擦れたりしやすくなります。
特に絹の着物や淡い色の着物では、摩擦による傷みや汚れにも注意が必要です。
荷物が多い日でも、ショルダー紐を使わず、短い持ち手で持てるバッグを選ぶと着姿が崩れにくくなります。
2WAYバッグを選ぶ場合も、着物の日は肩紐を外す、または中にしまって使うとすっきりします。
持ち手が長すぎるバッグはつい肩にかけたくなるため、購入前に「手で持ったときの高さ」も確認しましょう。
バッグの底が膝近くまで下がると重く見えやすいため、手元に収まりよく持てる長さが理想です。
カジュアルな着物なら収納力重視のバッグも取り入れやすい

小紋、紬、木綿、ウール、浴衣などのカジュアルな着物では、フォーマルほどバッグの決まりに縛られません。
和装専用のバッグだけでなく、洋服用のハンドバッグ、かごバッグ、がま口バッグ、季節感のある素材のバッグも合わせやすくなります。
ただし、自由に選べるからこそ、着物の柄や素材とのバランスが大切です。
収納力を優先する場合でも、色やデザインを落ち着かせると、着物姿になじみやすくなります。
ここでは、普段使いのバッグを取り入れる考え方、柄物の着物に合うバッグ、大きめバッグを上品に見せるポイントを確認します。
普段のお出かけでは洋装用ハンドバッグも使える
カジュアルな着物で出かける日は、必ずしも和装専用バッグにこだわる必要はありません。
小紋や紬、木綿の着物で観劇や買い物、友人との食事に行く場合は、洋服にも使えるハンドバッグを合わせても自然です。
特に、革風の素材や布製のきちんと感があるバッグは、着物にもなじみやすく、収納力を確保しやすい点が魅力です。
加藤咲季さんは、着物に合わせるバッグについて、ハンドバッグであれば「なんでもいい」としつつ、ショルダーバッグは襟が崩れやすく、生地が傷みやすいため注意が必要だと解説しています(※)。
普段のお出かけでは、肩にかけるタイプよりも、手で持てるハンドバッグを選ぶと安心です。
洋装用バッグを選ぶときは、金具やロゴが大きく目立つもの、スポーティーなナイロン素材、ビジネス感が強い大容量バッグは避けるとまとまりやすくなります。
スマホ、財布、ハンカチ、リップ、眼鏡、常備薬などが入る実用性は大切ですが、バッグだけが日常的に見えすぎると着物姿とのちぐはぐ感が出ます。
手持ちのバッグを使う場合は、鏡の前で着物と合わせ、色・素材・大きさが浮いていないか確認しましょう。
※参考動画:着物でのお出かけに必要なものとは?
柄の多い着物には無地バッグが合わせやすい
カジュアルな着物は、色柄の楽しさが魅力です。
小紋やアンティーク着物のように柄が多い着物を着る日は、バッグまで柄物にすると全体がにぎやかになりすぎます。
迷ったときは、無地または柄が控えめなバッグを選ぶと、着物や帯の印象を邪魔せず、すっきりまとまります。
特にグレージュやベージュ系のバッグは、さまざまな着物に合わせやすく、コーディネート全体を落ち着かせる役割があります。
反対に、無地感のある着物や落ち着いた紬を着る日は、バッグで少し遊びを入れても素敵です。
季節感のあるかごバッグ、レトロながま口バッグ、控えめな刺繍入りの布バッグなどを合わせると、装いに表情が出ます。
ただし、色数が増えすぎるとまとまりにくくなるため、バッグの色は着物・帯・帯締め・帯揚げのどれかとつなげると整います。
柄物を使う場合も、着物の柄とぶつからない大きさや色合いを選んでみてください。
大きめバッグは素材感と色を落ち着かせる
荷物が多い日には、大きめのバッグを使いたくなるものです。
カジュアルな着物であれば、フォーマルより収納力を重視しやすいため、少し大きめのハンドバッグも取り入れられます。
ただし、バッグが大きくなるほど存在感も増すため、色や素材を落ち着かせることが重要です。
大きめバッグを選ぶなら、黒、グレージュ、ベージュ、ブラウン、オフホワイトなど、着物になじみやすい色が使いやすくなります。
素材は、革風、上質感のある合皮、厚手の布地など、形が崩れにくいものを選ぶと安心です。
反対に、薄くてくたっとしたトートバッグや、派手なロゴ入りのバッグは、荷物が入って便利でも生活感が出やすくなります。
収納力を優先する日は、バッグの中身が見えないことも意識しましょう。
口が大きく開いたままだと、財布やポーチが見えてしまい、着物姿の上品さが弱まります。
ファスナー付きやマグネットで閉じられるもの、または中身をハンカチや手ぬぐいで覆えるバッグを選ぶと、実用性と見た目の両方を保てます。
和装バッグに入りきらない荷物はどうする?上品に見せる持ち物整理

和装バッグは、洋服のときのバッグより小ぶりなものを選ぶ場面が多くなります。
そのため、スマホや財布、ハンカチ、袱紗、メイク直し用品をすべて入れようとすると、バッグが膨らんだり、中身が見えたりしやすくなります。
大切なのは、荷物を減らすことだけではありません。どの荷物を手元に置き、どれをサブバッグへ分けるかを決めておくことです。
ここでは、メインバッグに入れるもの、サブバッグの使い方、中身を見せない整え方を順番に確認します。
メインバッグには席で使うものだけを入れる
和装バッグをすっきり持つには、メインバッグに入れるものを「会場内や席で使うもの」に絞ります。
たとえば、スマホ、小さめの財布、ハンカチ、リップ、鏡、袱紗などです。
結婚式なら受付で必要な袱紗、食事会なら席で使うハンカチやリップ、観劇ならチケットや眼鏡など、すぐ取り出したいものを優先します。
反対に、移動中だけ使うものや、念のために持つものはメインバッグに入れなくても困りません。
折りたたみ傘、予備のマスク、替えのストッキング、大きめの化粧ポーチ、常備薬の予備、子どもの荷物などは、サブバッグに分けると和装バッグの形が崩れにくくなります。
メインバッグは「すべてを入れる場所」ではなく、「人前で使うものを整えて入れる場所」と考えると選びやすくなります。
バッグの中で物が重なりすぎないよう、小物は薄型にする、財布は小さめに替える、メイク用品はリップと鏡だけにするなど、当日の予定に合わせて調整しましょう。
サブバッグは会場で預ける前提にするとスマート
荷物が多い日は、サブバッグを使うことで和装バッグの上品さを保てます。
ただし、サブバッグまで常に手元に持っていると、全体の印象が重くなりやすくなります。
結婚式場やホテル、式典会場などでは、会場内で使わない荷物をクロークや控室に預ける前提で準備すると、移動と会場内の装いを分けられます。
サブバッグには、折りたたみ傘、防寒用のショール、替えの足袋、予備のストッキング、大きめのポーチ、子ども用品などを入れます。
会場に到着したら、メインバッグにスマホ、財布、ハンカチ、袱紗、リップなどを残し、それ以外は預ける流れにすると、席での所作もすっきりします。
観劇や食事会のようにクロークを使わない場面では、椅子の背や足元に置いても目立ちにくい、落ち着いた色のサブバッグを選ぶと安心です。
サブバッグを選ぶときは、紙袋ではなく、布製や無地に近いきちんと感のあるものを選びます。
ロゴが大きいショップ袋や派手な柄のトートバッグは、便利でも着物姿の印象から浮きやすくなります。
ベージュ、黒、グレー、紺などの控えめな色なら、フォーマルにもセミフォーマルにも合わせやすく、会場で悪目立ちしません。
大きな荷物を持つこと自体は問題ではありません。
大切なのは、見せる荷物と預ける荷物を分けることです。
メインバッグを小ぶりに整え、サブバッグを補助として使えば、必要なものを持ちながら、着物姿の上品さも保てます。
バッグの中身が見えないように整える
和装バッグでは、外側のデザインだけでなく、中身の見え方にも気を配ると印象が整います。
口が大きく開いたバッグや、荷物を入れすぎて閉まらないバッグは、財布やポーチが見えやすくなります。
着物姿では手元や所作に視線が集まりやすいため、バッグの中が乱れていると、全体の上品さが弱まります。
加藤咲季さんは、着物でバッグの中身がいろいろ見えると美しく見えにくいため、手ぬぐいで隠す工夫を紹介しています(※)。
中身を整えるには、まず色や形がばらつく小物をポーチにまとめます。リップ、鏡、目薬、常備薬などは小さなポーチに入れると、取り出しやすく見た目もすっきりします。
財布は薄型や小さめのものに替えると、バッグの中に余白が生まれます。
さらに、バッグの上に薄手のハンカチや手ぬぐいを一枚かけておくと、口が完全に閉まらないバッグでも中身が直接見えにくくなります。
ただし、手ぬぐいやハンカチで隠せばよいからといって、荷物を詰め込みすぎるのは避けてください。
バッグの形が膨らむほど入れると、持ったときに重く見えます。
開閉がしやすく、必要なものを片手で取り出せる程度の余裕を残すことが、和装バッグを美しく使うポイントです。
※参考動画:着物でのお出かけに必要なものとは?
和装バッグのサイズ選びで失敗しないチェックリスト

和装バッグは、見た目の印象だけで選ぶと「思ったより入らない」「着物に合わせると大きく見える」「持ちにくくて着姿が崩れる」といった失敗につながります。
特にネットで購入する場合は、写真の雰囲気だけでは実際の収納力や持ったときのバランスが分かりにくいものです。
購入前には、当日の荷物、持ち手の長さ、素材や色の格を確認しておくと安心です。
ここでは、和装バッグを選ぶ前に見ておきたい3つのチェックポイントを整理します。
購入前に手持ちの荷物で容量を確認する
和装バッグを選ぶ前に、当日持っていく荷物を一度並べて確認します。
スマホ、財布、ハンカチ、リップ、鏡、袱紗、チケット、眼鏡、常備薬など、実際に必要なものを出してみると、必要な収納力が具体的に分かります。
写真で見ると十分に入りそうなバッグでも、長財布や袱紗を入れると口が閉まらない場合があります。
特に確認したいのは、横幅、マチ、開口部の3点です。
横幅は袱紗や長財布が入るか、マチは財布やポーチの厚みを受け止められるか、開口部は中身を出し入れしやすいかを見ます。
外寸だけでは判断できないため、内寸の記載があれば必ず確認しましょう。
がま口や金具付きのバッグは、外側が広く見えても内側が狭いことがあります。
購入前には、手持ちのバッグに同じ荷物を入れてみるのも有効です。
「この量だとマチが何cm必要か」「長財布より小さめ財布のほうがよいか」が分かるため、サイズ表を見るときの判断がしやすくなります。
収納力は数字だけでなく、荷物を入れた後も形が崩れない余裕まで含めて考えましょう。
持ち手の長さと持ち方を確認する
和装バッグは、収納力だけでなく持ち方も大切です。
着物では、肩にかけるバッグよりも、手で持てるハンドバッグのほうが着姿を崩しにくくなります。
持ち手が長いバッグは便利ですが、つい肩にかけたくなり、襟元や肩まわりに負担がかかります。
バッグの紐が着物の生地に擦れると、汚れや傷みの原因にもなります。
購入前には、持ち手が短めで手に収まりやすいか、腕にかけたときにバッグが体の前で大きく揺れないかを確認します。
持ち手が硬すぎると長時間の外出で疲れやすく、細すぎると荷物の重みが手に伝わりやすくなります。
観劇や食事会のように移動時間が長い日は、見た目だけでなく、実際に持ったときの負担も重要です。
2WAYバッグを選ぶ場合は、ショルダー紐を外せるか、バッグの中にしまえるかを見ておきましょう。
着物の日は短い持ち手で持ち、洋服の日は肩掛けにするなど、使い分けられるものなら実用性も高くなります。
ただし、和装で使うときは肩にかけない前提で選ぶと、着崩れを防ぎやすくなります。
素材・色・装飾が着物の格に合うか見る
和装バッグは、収納力が十分でも、素材や色が着物の格に合っていなければ全体の印象がちぐはぐになります。
フォーマルな訪問着や付け下げに合わせるなら、帯地、ビーズ、上品な布地、控えめな光沢のある素材などがなじみやすくなります。
カジュアルな小紋や紬なら、革風バッグ、かごバッグ、がま口バッグなども取り入れやすく、装いに遊びを加えられます。
色選びで迷ったときは、白、ベージュ、グレージュ、淡いゴールド、シルバー系など、着物や帯に合わせやすい色を候補にします。
装飾は、着物や帯とのバランスで考えましょう。
帯が華やかな日はバッグを控えめにし、着物がシンプルな日は少し装飾のあるバッグを合わせるとまとまりやすくなります。
ロゴが大きいもの、金具が強く光るもの、カジュアル感の強いナイロン素材は、便利でもフォーマルな和装には合わせにくくなります。
購入前には、バッグ単体で好みかどうかだけでなく、着る予定の着物と一緒に見たときに浮かないかを確認してみてください。
バッグは小物ですが、手元にあるため意外と目に入りやすい存在です。
サイズ、収納力、持ち方に加えて、素材・色・装飾まで整えると、当日の着物姿がより上品にまとまります。
まとめ
和装バッグは、小ぶりで上品に見えることと、必要な荷物が無理なく入ることの両方が大切です。
結婚式や式典では、スマホ・財布・ハンカチ・袱紗などが入る小さめのバッグを基本にし、入りきらない荷物はサブバッグへ分けるとすっきり整います。
観劇や食事会などのお出かけでは、マチのある少し大きめのハンドバッグも使いやすい選択肢です。
購入前には、当日に持つスマホ・財布・ハンカチ・袱紗・リップなどを実際に並べ、バッグに無理なく収まるか確認しましょう。
見た目の上品さと収納力の落としどころが分かると、着物姿に合うバッグを安心して選べます。
着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。
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