和装ブラ 補正 下着 選び方 道具と準備 必要な道具一覧
「和装ブラって、やっぱり専用のものを買わなきゃダメ?」
「スポーツブラやナイトブラでも代用できるの?」
「補正って言われるけど、どこまで必要なのか分からない…」
着物や浴衣を着る機会が増えてくると、下着選びに戸惑う人は少なくありません。
とくに初心者にとっては、洋服用の下着と和装用の違いが分からず「とりあえず普段のブラでいいか」と思ってしまいがち。
しかし、見た目の美しさや快適さは、実はインナー選びで大きく変わるのです。
この記事では、以下のポイントを丁寧に解説します。
- 和装ブラと洋服ブラの違い、着物に合う体のシルエットとは?
- 和装下着を選ぶときのチェックポイントとNG例
- シーンや体型別に見る、失敗しないインナーの選び方
さらに、代用品として使えるスポーツブラやナイトブラについての注意点も紹介します。
快適さと美しさを両立した着物姿を叶えるために、まずは“見えないおしゃれ”から整えてみましょう。
Contents
和装下着(和装ブラ)って何?着物姿が変わる理由

和装ブラとは、着物を着たときに“着物らしい美しいシルエット”を作るための専用下着です。
洋服のようにバストを強調するのではなく、胸元をなだらかに整えることで、帯の位置が安定し、着崩れしにくくなります。
さらに、長時間の着用による締め付け感や疲れを軽減するための工夫も施されています。
着物姿の理想は「寸胴体型」です。
胸やウエストのくびれをなるべく目立たせず、直線的で滑らかなラインを作ることで、帯や襟元が乱れにくくなり、全体的にバランスの取れた装いになります。
和装ブラは、その土台づくりとして欠かせないアイテムなのです。
このパートでは、和装ブラの基礎知識と、着物姿にどのような影響を与えるのかを解説します。
和装下着と洋服用下着の違い
洋服用ブラジャーは、バストの形を整えたり持ち上げたりして、ボディラインを際立たせる設計になっています。
しかし和装の場合、それが逆効果になることがあります。
胸が高く出ていると、帯が安定しにくく、帯締めやおはしょりの位置がずれやすくなってしまうのです。
和装ブラは、バストを自然に抑えるように設計されており、ワイヤーやホックが肌に当たらない仕様のものが多く見られます。
特に、前側に厚みのあるパッドが入っているタイプは、デコルテが寂しく見えがちな方にもフィットしやすく、着姿全体を柔らかく見せてくれます。
和装ブラが与えるシルエット効果
着物を着たときに求められる体型は、いわゆる“なだらかな筒状”です。
バストやウエストのくびれを目立たせないことが、美しい襟元や整った帯まわりにつながります。
和装ブラは、胸をつぶすのではなく「広げる・平らに整える」というイメージでフィットさせます。
パッド入りでデコルテを補う設計なら、薄い体型でも襟元にゆとりが出て、見た目にも品のある印象に仕上がります。
逆に、洋服ブラのまま着物を着ると、バスト部分だけ盛り上がってしまい、帯がずれて見えたり、写真写りに違和感が出たりすることがあります。
このように、和装ブラは単なる下着ではなく「着姿の完成度を支える基礎」であり、選び方ひとつで印象が大きく変わるのです。
失敗しない和装ブラの選び方とチェックポイント

和装ブラを選ぶとき、見た目の美しさだけでなく、着心地や機能性も非常に重要です。
「なんとなく和装用だから」と選んでしまうと、着崩れの原因になったり、長時間の着用で体が疲れてしまったりすることもあります。
逆に、ポイントを押さえて選べば、体型を整える補正の役割をしっかり果たしながら、快適な着物時間を過ごすことができます。
ここでは、和装ブラを選ぶ際に注目したい具体的なチェックポイントを3つの視点から紹介します。
胸を強調しないデザインを選ぶ理由
着物姿では「バストを目立たせない」ことが鉄則です。
特に胸のボリュームがある方は、強調を避けてできるだけフラットなラインに整えることで、帯の位置が安定し、全体のシルエットが整います。
加藤咲季さんも、バストの大きな方は「必ず和装ブラで押さえてほしい」としています。
パッド入りでデコルテを補えるタイプを選ぶと、華奢な体型の方でも襟元に自然な厚みが出て、衿合わせが美しく決まります。
反対に、バストの形を強調するような洋服ブラを着ると、帯に圧がかかって着崩れやすくなったり、帯の下に段差ができたりすることがあります。
ワイヤー・パッド・素材のポイント
和装ブラを選ぶときは、ワイヤー入りのタイプは避けましょう。
ワイヤーは着物を着たときに肌に当たりやすく、締め付けによって痛みや不快感の原因になります。
また、長時間の着用では圧迫されて苦しくなることもあるため、ノンワイヤーのものを選ぶのが基本です。
さらに、パッドが程よく入っているかも重要なポイント。
最近はデコルテが痩せて見えやすい体型の方が多いため、胸上部を自然に補えるパッド入りタイプが理想です。
素材は吸湿性や通気性があるものを選ぶことで、汗をかいても蒸れにくく快適です。
加藤咲季さんも、肌着としてユニクロのエアリズム(半袖タイプ)を取り入れていると紹介しており、和装に合う素材選びの柔軟さも大切だとわかります。
サイズとフィット感の基本ルール
和装ブラは「アンダーが合っているか」がとても重要です。
トップの大きさよりも、アンダー部分がずれてしまうと、下着が上がってきたり、帯がずれやすくなったりするため、フィット感の確認は欠かせません。
実際に購入する際は、サイズ表記だけで判断せず、可能であれば試着して「胸がつぶれすぎず・浮きすぎない」バランスを確かめることが大切です。
また、着物の補正では、くびれを無くすのが基本となるため、ブラの上からタオルなどで補正を加える場合もあります。
そのため、フィットしすぎて調整できないブラよりも、少し余裕のある設計の方が補正しやすく、柔軟に対応できます。
和装ブラは代用品でも大丈夫?普段ブラとの違い

和装ブラは専用の下着として販売されていますが、手元にない場合に「普段のブラでも代用できるのでは?」と考える方も多いでしょう。
実際のところ、代用品でもある程度対応は可能ですが、条件を満たさなければ逆効果になることもあるため注意が必要です。
ここでは、和装ブラの代わりに使用できる下着の条件や、おすすめの代用品について具体的に解説します。
正しい代用方法を知れば、急な着用予定にも安心して対応できます。
代用できるブラの条件と注意点
和装ブラの代用品として使用する場合は、次の3つの条件を満たす下着を選びましょう。
まず一つ目は「バストを持ち上げすぎないこと」。
通常のブラジャーはバストを高く見せる設計がされており、これが着物の着姿に不自然な段差や崩れを生む原因になります。
代用品を選ぶときも、バストラインをできるだけフラットに保つものが理想です。
二つ目は「下着のラインが透けたり響いたりしないこと」。
特に浴衣や薄手の着物では、インナーの縫い目やレース部分が表に出てしまうことがあります。
シームレスなデザイン、またはフラットな素材で作られたものを選ぶようにしてください。
三つ目は「肩紐の形状と肌見えリスク」。
キャミソールタイプやホルターネック型など、脇が大きく開いたデザインは着物の袖口から下着が見えてしまう可能性があるため避けた方が無難です。
加藤咲季さんも、夏場でもキャミソールではなく“半袖タイプ”を選ぶよう話しています。
おすすめの代用品タイプと選び方
実際に和装ブラの代わりとしておすすめされるのは「スポーツブラ」「ナイトブラ」「ノンワイヤーブラ」などの締め付けが少ないタイプです。
これらは体にほどよくフィットし、かつワイヤーの圧迫感がないため、長時間の着用にも適しています。
特にスポーツブラは、バストをコンパクトにまとめながらもズレにくく、適度なホールド力があるため、多くの人にとって扱いやすい代用品です。
ただし厚手のものは熱がこもりやすく、通気性の悪さがストレスになることもあるため、素材選びには注意が必要です。
ナイトブラも、やさしくバストを整える機能がありながら、締めつけが少ないため人気があります。
選ぶときは、バストトップが強調されない平らなデザインであること、パッドが取り外し可能なタイプであることが理想的です。
代用品で済ませる場合でも、完全な代替ではないことを理解し、場合に応じて補正タオルなどで微調整することを忘れないようにしましょう。
シーン別・体型別の和装ブラ選びのコツ

和装ブラを選ぶ際、誰にでも「これが正解」という一着があるわけではありません。
なぜなら、着物を着る目的や場面、そして体型によって、求められる機能や快適さが変わるからです。
特に成人式や結婚式など、写真に残るフォーマルな場面では見た目の完成度が重視されますし、長時間の観劇や食事会では快適性が最優先になります。
このセクションでは、着用シーンや体型に応じた和装ブラの選び方を紹介します。
どんな場面でも無理なく着物を楽しむために、自分の目的に合った選択ができるようになることが目標です。
写真写りを重視する選び方
成人式や卒業式、結婚式の参列や前撮りなど、特に写真に残るイベントでは、正面・横・斜めなどさまざまな角度から撮影されるため、着姿の完成度が問われます。
バストラインや背中の段差が透けて見えると、せっかくの着物も美しさが半減してしまいます。
こうした場面では、できるだけフラットなラインをつくれる和装ブラを選ぶことが重要です。
胸元のパッドで自然な厚みを補えるタイプであれば、衿元に立体感を持たせつつも滑らかなシルエットが実現できます。
加藤咲季さんも、胸の大きさが気になる方ほど、専用の和装ブラでしっかり抑えることを推奨しています。
また、背中の段差をなくすために、肌着や裾除けと組み合わせて補正を行うことも大切です。
写真では特に帯の位置やおはしょりの整い方が目立つため、下着による土台づくりが完成度に直結します。
長時間の着用で快適さを重視する選び方
観劇や食事会、日常の着物での外出など、比較的カジュアルな場面では、見た目よりも着心地の良さが優先されます。
こうしたシーンでは、締め付けが少なく、肌あたりのやさしい和装ブラや代用品を選ぶと快適です。
ノンワイヤータイプのブラジャーや、ナイトブラのような柔らかい素材のものは、着物に響きにくく、自然なシルエットをキープしながらも身体に負担をかけません。
加藤咲季さんは夏場にエアリズム素材の半袖インナーを活用していると語っており、暑さや蒸れ対策としても非常に参考になります。
さらに、バストを押さえすぎずに快適性を保つため、補正タオルで微調整できるよう、やや余裕のあるフィット感を選んでおくと柔軟に対応できます。
見た目と快適さのバランスを取りながら、自分にとって負担にならない下着を選ぶことが、長く着物を楽しむための第一歩です。
まとめ
着物を美しく、そして快適に着こなすためには、見えない部分である“下着”の選び方が非常に重要です。
洋服とは異なるシルエットを求められる和装では、バストをなだらかに整え、帯が安定する体型をつくるための和装ブラが欠かせません。
和装ブラを選ぶ際は、「バストを強調しない」「締めつけが少ない」「ラインが響かない」といった基本ポイントを押さえることが大切です。
専用のものがない場合は、スポーツブラやナイトブラといった代用品も条件を満たせば活用できます。
成人式や結婚式などのフォーマルな場では写真写りの完成度を、観劇や食事会などの長時間の外出では快適性を重視して選ぶことで、自分にとってベストな下着が見えてくるはずです。
和装ブラは「着物の下に隠れるアイテム」ではなく、「着姿の完成度を左右する要」でもあります。
美しく整った着姿と、長時間快適に過ごせる安心感。その両方を叶える第一歩として、自分に合った一着を見つけてみてください。
着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。
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