「自分で着物を着られるようになるには、いったい何回練習すればいいの?」
そんな疑問を持っていませんか。
着付けを学び始めたばかりの方にとって、最も気になるのが「習得までの練習回数や期間」です。
特に結婚式やお茶会など、大切な場面を控えている方にとっては「何回で着られるようになるのか」が切実なテーマでしょう。
この記事では、初心者が知りたい次のポイントを整理して解説します。
- 自分で着物を着られるようになるまでに必要なおおよその練習回数や期間
- 練習を効率的に進める方法と、短期間で定着させる工夫
- 独学と教室、それぞれのメリットと注意点
さらに、練習を続けるうちに出てくる「忘れてしまう」「時間がかかる」といった悩みに対しても、解決のヒントを紹介します。
着付けは「コツ」と「継続」でぐんと習得が早まります。
忙しい日々の中でも実践しやすい方法をまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
Contents
はじめに:「何回練習すれば着られる?」という不安、解消します

着物を自分で着られるようになりたいと思ったとき、最初に浮かぶのが「いったい何回練習すればできるようになるのか」という疑問です。
多くの初心者は、最初の数回で手順を覚えきれず不安になります。
しかし、回数の目安や練習のコツを理解しておけば、焦らずにステップアップできます。
加藤咲季さんも、初心者はまず「気楽に始められる環境」が大切だと紹介しています(※)。
高価な正絹より、扱いやすく気兼ねなく練習できるポリエステル着物を使うと、練習回数を重ねやすくなり、習得がぐっと早まります。
次の章では、具体的に「どのくらいの練習回数で自分で着られるようになるのか」について、一般的な目安と個人差のポイントを解説していきます。
※参考動画:第五弾「化繊」着物に使われる素材
練習回数と期間:初心者が“自分で着る”レベルに到達するには

着付けを自分でできるようになるまでに必要な練習回数は、人によって異なります。
ただし、ある程度の目安を知っておくと「自分は遅れているのでは」と焦る気持ちが和らぎます。
練習を繰り返す中で自然と手順が体に馴染み、帯の扱い方や襟の合わせ方に余裕が出てきます。
ここでは、一般的に言われる練習回数や期間の目安と、個人差を生む要因、そして練習ペースの工夫について解説します。
練習回数・期間の一般的目安
初心者が自分で着物を着られるようになるには、おおよそ 5〜8回程度の練習 が目安です。
これは一度に完璧に覚えるのではなく、練習を重ねるごとに少しずつ体の動きがスムーズになっていくためです。
期間にすると 1〜3か月ほど 集中的に取り組めば、多くの人が「ひとりで着られる」状態に到達します。
ただし、これはあくまで標準的な目安です。
加藤咲季さんは、肌着の着付けのように「一見簡単な工程」でも慣れるまでは手こずることがあると解説しています(※)。
練習回数は、着物全体の流れを覚える過程と、細部の動きを正確にする過程を合わせた積み重ねと考えましょう。
※参考動画:肌着の着方
個人差を左右する要因
習得までのスピードには大きな個人差があります。
たとえば器用さや集中力の持続時間だけでなく、着物を着る機会の有無が大きく影響します。
日常的に着物に触れている人は、所作や感覚をつかみやすく、短期間で上達しやすい傾向にあります。
また、練習する際に「正しい手順で進められているか」が重要です。
誤ったやり方で何度も練習すると、かえって直すのに時間がかかります。
教室や動画で正しい手順を確認しながら進めることで、効率よく練習回数を重ねることができます。
練習ペースと間隔の取り方
着付けはスポーツの技術に似ていて、間隔を空けすぎると体が手順を忘れてしまいます。
理想的なのは 週1〜2回の練習 を継続することです。
短期間に集中的に練習すると、体に動きが定着しやすく、結果的に少ない回数で身につけられます。
加藤咲季さんは、襟の扱いを少し変えるだけで見え方が大きく変わると解説しています(※)。
小さな工夫を積み重ねるには、間を空けすぎない練習が欠かせません。
※参考動画:着方だけで裄を長くする方法
効果的な練習法:毎回ただ着るだけでなく“質”で差をつける

練習回数を重ねることは大切ですが、ただ漫然と着たり脱いだりするだけでは上達に時間がかかります。
短期間で効率的に身につけるためには、「どこを意識するか」「どう練習するか」が大きな差を生みます。
忙しい日々の中で限られた時間を有効に使うためにも、次に紹介する方法を取り入れてみましょう。
分割練習(帯だけ、長襦袢だけなど)
一度にすべてを通して練習するのは時間も体力も必要です。
効率的に習得するには「分割練習」が効果的です。
たとえば、今日は長襦袢の衿合わせだけ、明日は帯の結びだけといった具合に部分ごとに練習します。
これにより、短時間で苦手な部分を重点的に克服できます。
加藤咲季さんの動画【帯揚げを綺麗にするポイントを超詳しく解説します】でも、「結ぶ前の段階で整えておくこと」が仕上がりを大きく左右すると解説しています。
帯結びを単独で練習し、結ぶ前の整え方を体に覚えさせておけば、全体を通して着付ける際にも時間を短縮できます。
1日に複数回の“着脱”特訓法
練習日は、できれば1日に複数回「着て脱ぐ」を繰り返すと定着が早まります。
最初は30分以上かかっても、繰り返すうちに10分、15分と短縮され、手順の流れも自然に体に刻まれていきます。
たとえば朝に一度通しで着てみて、夜にもう一度練習するだけでも、同じ1回の練習を2日に分けるよりも効果的です。
スポーツの基礎練習と同じように「連続した反復」が習得を加速させるのです。
イメージトレーニング・手順確認法
実際に着物を広げられない日も、頭の中で手順をイメージする練習が効果を発揮します。
帯を締める動作や襟を合わせる流れを思い描くだけで、次に実際に着るときの理解度が高まります。
加藤咲季さんの動画【背中の紐が見えてしまうときの対処法】では、体型による着崩れをイメージして補正を加える工夫が紹介されています。
こうした事前の意識付けは、実際の練習で「あれ?ここがズレる」と気づく助けになり、着崩れの予防にもつながります。
定着と復習対策:練習しなさすぎて忘れないコツ

着付けは「一度できたから終わり」ではなく、間隔を空けると手順を忘れてしまう技術です。
特に初心者は、数週間練習をしないだけで襟の合わせ方や帯の締め方を思い出せなくなりがちです。
そこで大切なのが、定期的な復習と練習の工夫です。
ここでは、忘れにくくするための考え方と具体的な対策を紹介します。
“逆上がり”理論で考える着付けの忘れやすさ
着付けは「自転車」よりも「逆上がり」に近い習得過程です。
自転車は一度乗れると感覚を忘れにくいですが、逆上がりは練習を止めると体が動きを忘れてしまいます。
着付けも同様で、練習をしばらく休むと体が動作を思い出すまでに時間がかかります。
加藤咲季さんも、日常の姿勢が仕上がりに直結すると解説しています(※)。
つまり、普段から意識を続けることが、忘れにくさにもつながります。
着物を着ていない時間にも「意識を持続させる」ことが大切です。
※参考動画:着物での綺麗じゃない立ち方
定期的な復習スケジュールの組み方
効果的に忘れないためには、月1〜2回程度の復習 を習慣にするのが理想です。
特にイベント直前だけ練習するのではなく、定期的に「短時間の確認」を行うと安定して手順を維持できます。
たとえば、長襦袢だけを着る練習をしてみる、帯を1本結んでみる、といった小さな復習で十分です。
こうした軽い復習が「忘れかけていた手順」を呼び覚まし、本番でも迷いにくくなります。
教室サポート/映像教材の活用
独学では、自分のクセや間違いに気づきにくいものです。
そんなときは教室で講師に直接見てもらったり、映像教材を使って復習したりするのが効果的です。
正しい方法を確認しながら練習すれば、誤った動きを繰り返すことなく、早い段階で修正できます。
その結果、学習の質が高まり、着付けがスムーズに身につきます。
映像教材は何度も見返せる点が強みで、自宅にいながら実際の動きを具体的にイメージできる点も魅力です。
こうしたサポートを上手に活用することで、練習効率を大きく高めることができます。
教室通学 or 独学?初心者に適した選択と注意点

着付けを学ぶ方法には、大きく分けて「教室に通う」と「独学で練習する」の2つがあります。
どちらにもメリットと注意点があり、自分の生活スタイルや目的に合わせて選ぶことが大切です。
ここでは、それぞれの特徴と効果的な取り入れ方を整理して紹介します。
教室に通うメリット(指摘、モチベーション維持など)
教室に通う最大のメリットは、講師から直接アドバイスを受けられることです。
襟が浮いてしまう、帯が緩むなど、自分では気づきにくい部分をその場で修正してもらえるため、上達のスピードが格段に早まります。
さらに、仲間と一緒に学ぶ環境は大きな励みになります。
練習が単調に感じて続かないことも、周囲の人の姿に刺激を受けることで自然とモチベーションが保てます。
また、教室では着付けの技術だけでなく、動作の美しさや所作の丁寧さも体感的に学べるため、着物姿全体の完成度を高めることができます。
独学で進めるときの注意点と補助戦略
独学の魅力は、自分のペースで気軽に練習できることです。
教室に通う時間が取れない人でも、動画や本を参考にすれば学びを進められます。
しかし、独学では誤った方法に気づかず定着させてしまうリスクがあります。
そのため、鏡を活用して全身を確認したり、スマホで撮影して客観的にチェックする工夫が有効です。
動画教材を繰り返し見ることで「正しい形」と「自分の形」の違いを比較でき、修正がしやすくなります。
ハイブリッド型(教室+自主トレ併用)のすすめ
最も効率的なのは、教室と独学を組み合わせる方法です。
教室で正しい手順を確認し、日常では自主練で繰り返す。
このハイブリッド型なら、間違いを早く修正しながら練習回数を確保できます。
加藤咲季さんも、慣れない履物は練習と実体験を重ねてこそ快適に扱えると説明しています(※)。
同じように着付けも、学びと実践を繰り返すことで安定して身につけられるのです。
※参考動画:着物の時の履物について語ります
まとめ
着物を自分で着られるようになるまでの練習回数は、一般的に5〜8回、期間にして1〜3か月程度が目安です。
ただし実際には、練習頻度や日常での着物の活用度によって習得のスピードは変わります。
大切なのは「回数そのもの」よりも、正しい手順を繰り返し、忘れないように定期的に復習することです。
分割練習や1日複数回の特訓、イメージトレーニングなどを取り入れれば、効率的に技術が身につきます。
また、独学だけで進めるのが不安な場合は、教室と自主練を組み合わせたハイブリッド型が効果的です。
加藤咲季さんが繰り返し示しているとおり、「日常に取り入れやすい工夫」と「継続できる練習」が上達の鍵です。
練習回数にとらわれすぎず、自分の生活リズムの中で無理なく継続していくことが、着物を楽しむ第一歩となるでしょう。

着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。
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