「写真を撮る直前に、おはしょりがくしゃくしゃで焦った経験はありませんか?」
せっかく整えたのに、帯の下からシワが寄って見えると気分も下がってしまいますよね。
出先では鏡もなく、どう直せば良いのか迷う方も多いのではないでしょうか。
この記事では、初心者から中級者までの方が知りたい次のポイントを整理しています。
- 帯を締める前にシワを作らない手順
- 写真を撮る前や外出先でサッと直せる即効ワザ
- シワができる原因と体型や補整に応じた対処法
また「時間をかけずに直すコツが知りたい」「振袖など動きの多い着物でも綺麗に保ちたい」そんな思いを持つ方にも応えられるよう、原因分析から具体的な直し方まで丁寧に解説します。
Contents
おはしょりのシワができる理由を知って防ぐ準備

おはしょりのシワを防ぐには、まず原因を理解することが大切です。
着物は直線裁ちの布を体に合わせて着るため、補整や紐の位置、布の扱い方が少しでも乱れると、シワが生まれやすくなります。
特に初心者は「なぜここにシワが出るのか」を知らずに直そうとしてしまうため、かえって整わないケースも多いのです。
そこで、シワが出やすい典型的な原因を3つに分けて解説します。
帯を締める前に確認しておけば、仕上がりの美しさが格段に変わります。
補整不足・体型と着物寸法のミスマッチ
体型と着物寸法のアンバランスは、おはしょりのシワの大きな原因です。
ウエストにくびれが強い体型では、布が帯の下で余ってしまい、横ジワや膨らみとして表れます。
加藤咲季さんの動画【背中の紐が見えてしまうときの対処法】でも、補整不足によって帯位置が下がり、全体の安定感を損なうことが解説されています。
タオルでくびれを埋めたり、腰回りに土台を作るだけでシワの原因を未然に防げるのです。
紐の位置・襟/背中心・上前幅のズレ
紐の位置や布の取り方がわずかにずれるだけでも、シワが溜まりやすくなります。
特に胸紐や腰紐が斜めにかかると布が引っ張られ、帯下のおはしょりにシワが集中します。
また、背中心がズレると左右で長さが違い、片側に余分な布が寄ってしまいます。
これらは着付けの基礎ながら見落としやすいポイントで、出先での直しが難しい部分です。
最初の紐結びで水平を意識することが、最も効果的なシワ防止策です。
布の重なりすぎ・縫い目や余分な布の扱い方
着物は縫い目や布端が多いため、それをどう処理するかでおはしょりの見栄えが変わります。
布をそのまま下ろすと、縫い代や重なりが帯下に溜まり、モコモコした印象に。
加藤咲季さんの動画【肌着の着方】でも紹介されているように、布を均等に分散させるだけで見た目は大きく変わります。
余分な布を脇や帯下へ流す「布目を通す」作業を習慣にすれば、シワが減るだけでなく、体に沿ったすっきりとしたラインを作れます。
帯を締める前にやるべき“シワを作らない”着付けステップ

おはしょりは帯を締めた後では直しにくいため、準備段階でシワを防ぐことが重要です。
布を整える位置や順序を少し変えるだけで、写真映えする美しい仕上がりが得られます。
ここでは、帯を結ぶ前に意識したい具体的なステップを紹介します。
下前の一重上げ/布を折り返して段差をなくす方法
着物の下前はそのまま下ろすと布が重なり、帯下に厚みやシワを作りやすくなります。
そこで一度折り返して「一重上げ」にすると、段差を解消しつつ布を安定させられます。
加藤咲季さんの動画【着方だけで裄を長くする方法】でも、襟や布の折り返しを工夫することで全体のバランスを整える手法が解説されています。
同じように下前の布を処理することで、帯下にシワを寄せない基礎ができあがります。
布目を通して脇下→帯下へ滑らせ整える手順
布を手のひらで軽く押さえ、脇下から帯下へスライドさせる「布目を通す」動作を行うと、余分なシワを逃がせます。
これは特に腰回りに余布が多い場合に効果的で、帯をかける前に仕上げておくことで安定感が増します。
布を脇でため込まず、帯下へ流すイメージを持つと、全体のシルエットがすっきりします。
加藤咲季さんの動画【肌着の種類】でも、下地から布を滑らせる考え方が紹介されており、この意識がシワ防止の土台となります。
腰紐・胸紐の締め方・角度を意識するコツ
紐の結び方が強すぎても弱すぎてもシワの原因になります。
腰紐は水平に、胸紐はわずかに下向きに結ぶと布が自然に落ち、余計な引きつれを防げます。
特に胸紐が斜めに食い込むと、布が引っ張られて帯下にシワが集中してしまいます。
加藤咲季さんの動画【正座の仕方】で解説されているように、姿勢や布の流れを意識することで見た目の安定感も増します。
紐の角度を整えることは、着物全体の印象を左右する大切な工程です。
写真を撮る前/外出先で鏡なしでも使える即効ワザ

外出先でシワが気になったとき、鏡や十分なスペースがなくても直せる方法を知っておくと安心です。
特に写真を撮る直前は、帯下や脇のわずかなシワが目立ちやすいため、即効ワザを覚えておくと大きな差が出ます。
ここでは短時間でできる実践的なテクニックを紹介します。
スライドテクニック:帯下・腰紐下から手を入れてシワを伸ばす方法
加藤咲季さんの動画【おはしょりを一瞬で綺麗に直す方法】で紹介されているのが、このスライドテクニックです。
帯下にそっと手を差し入れ、余った布をスーッと下に引き流すだけでシワを解消できます。
鏡がなくても手の感覚だけで直せるため、外出先や写真撮影前に非常に有効です。
強く引くのではなく、布目を整えるように軽く滑らせるのが成功のポイントです。
タックテクニック/脇で布を集めて整えるやり方
脇に余った布が寄って膨らみやシワになっている場合は、タックを取るように布を軽く畳んで脇へ流します。
これにより帯下で布が均一に分散し、見た目が整います。
帯を動かさずに処理できるため、外出先でも短時間で直せる方法です。
特に振袖や袖の重い着物では、脇布をさばくことで全体のバランスが向上します。
動画【着物での綺麗じゃない立ち方】でも姿勢や布の扱い方が解説されており、この意識が即効直しにも役立ちます。
補助道具・裏技:クリップ・ゴムベルト・補整タオルの活用
出先で直しにくい場合は、補助道具を使うのも一案です。
小さな洗濯クリップやゴムベルトを帯の内側に忍ばせておくと、余分な布を固定してシワを防げます。
また、小さなタオルを腰紐下に挟むだけで土台が安定し、余分な布が溜まりにくくなります。
動画【着物でのお出かけに必要なものとは?】でも、出先での応急処置に役立つアイテムが紹介されています。
持ち歩きやすい道具を準備しておけば、急なシワにも落ち着いて対応できます。
振袖や動きの多い着物で崩れにくくする工夫

振袖や訪問着など動きが多い場面では、袖の重みや裏地の影響でおはしょりが崩れやすくなります。
特に成人式や式典では長時間着ることもあり、途中でシワや崩れが目立ってしまうと残念です。
ここでは、振袖など特に動きの多い着物を想定した安定方法を紹介します。
裏地の扱い・袖の重さの対策
振袖は裏地が長く重いため、歩いたり腕を動かしたりするだけで、おはしょり部分に強い引きがかかります。
そのままにしておくと、脇や帯下にシワが寄りやすく、せっかく整えた着姿がすぐに崩れてしまいます。
対策としては、まず布を脇や帯下へきちんと流し込むことが基本です。
流し方が甘いと余計にシワが寄るので、手のひらで滑らせるように丁寧に処理しましょう。
さらに袖の重みで引っ張られる部分には、補整タオルを入れて布を支えると安定度が増します。
タオルは厚すぎると不自然になるため、細長くたたんで必要な箇所にだけ差し込むのがコツです。
また、袖の重さを分散させる工夫として、帯下の位置で布を軽く留めておくのも効果的です。
小さな仮紐を使って袖付けから脇にかけて布を受け止めると、動いたときに余分な力が一点にかからず、シワやヨレを防ぎやすくなります。
こうした調整を加えることで、動きの多い振袖でも美しいラインを長時間キープすることができます。
体を動かした後のチェックポイント・手直しのルーチン
長時間着物を着て動くと、腰回りや帯下のおはしょりが崩れてきます。
そこで大切なのが、定期的に行う「セルフチェック」です。
トイレ後や移動の合間に帯下へ手を差し入れ、布を軽く滑らせて整えるだけで見栄えが保てます。
動画【おはしょりを一瞬で綺麗に直す方法】で紹介されているスライドテクニックは、この場面でも有効です。
崩れる前提で、直す手順をルーチンにしておくと安心です。
帯下・裾回りの安定を保つ補正と紐使い
振袖は布の分量が多いため、動くうちに裾回りに布が溜まりやすくなります。
その結果、シワや段差が出やすくなり、美しいラインを保ちにくくなるのです。
安定させるポイントは、腰紐や伊達締めをまっすぐ水平に締めること。
斜めに入ると布が偏って寄りやすくなるため、意識して均等に使いましょう。
また、余分な布を帯下に分散させて流し込むと、裾全体がすっきり整います。
さらに補整を活用して腰回りや体の段差を埋めると、布が吸い付くように落ち着きます。
補整があることで着物がずれにくくなり、歩いたり座ったりしてもおはしょりにシワが寄りにくくなります。
補整と紐使いを組み合わせることで、振袖特有の布の多さをバランスよく処理でき、長時間の式典でも美しい着姿をキープすることが可能になります。
まとめ
おはしょりのシワ防止は、原因を理解し、帯を締める前に正しい手順で整えることが何より大切です。
補整で体型に合った土台を作り、紐の角度を意識して結ぶだけで、シワは大幅に減らせます。
さらに、外出先ではスライドやタックなど即効ワザを活用すれば、鏡がなくても美しい仕上がりを保てます。
振袖のように動きの多い着物でも、裏地や袖の重さを考慮し、定期的にセルフチェックを行えば安心です。
この記事で紹介したポイントを実践すれば、どんな場面でも自信を持って写真に映れる着姿が叶います。

着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。
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