秋行楽 紬 着物 カラー 着物の基礎知識 TPOに応じた着物の選び方
「秋の行楽に着物を着てみたいけれど、どんな色や柄を選べばいいのだろう?」
そんなふうに迷ったことはありませんか。紅葉狩りや美術館巡り、小旅行や友人とのランチなど、秋はお出かけにぴったりの季節。
せっかくなら、着物の色や素材からも季節感を楽しみたいものです。
この記事では、以下の3点について詳しく解説します。
- 秋の雰囲気を引き立てる紬のカラー選びのポイント
- 素材や質感で“秋らしさ”を表現する方法
- 帯や小物でアクセントを添えるコーディネート術
さらに、秋から冬に移り変わる時期に色や小物をどう変えていけばよいのかについても紹介します。
色の選び方に迷う方だけでなく、着物で季節をもっと楽しみたい方に役立つ内容です。
Contents
秋の紬を選ぶ前に知っておきたい色の基本

秋に似合う着物を選ぶとき、まず大切なのは「色」の考え方です。
紅葉や落ち葉のように自然界から生まれる色を意識すると、季節感がぐっと引き立ちます。
紬は素朴で温かみのある素材なので、色選びを工夫するだけで雰囲気が変わり、カジュアルな行楽シーンにも上品さを添えることができます。
ここでは、秋の紬におすすめの色と、自分に似合う色を見つける視点をご紹介します。
自然界から取り入れる秋色/定番カラーと印象
秋の行楽に合うカラーといえば、茶、柿色、深緑、マスタード、えんじ色、くすみ系のベージュなど。
どれも落ち葉や実りを思わせる自然の色合いです。茶やベージュは落ち着いた印象を与え、紅葉を思わせる柿色やえんじは季節感を前面に出せます。
深緑は全体を引き締める効果があり、帯や小物との相性も抜群です。
また、淡いグレーや生成りも秋に使いやすい色です。特に紬は光沢が控えめなため、地色が柔らかいと帯や小物で差し色を入れやすく、コーディネートの幅が広がります。
加藤咲季さんの動画【帯揚げの使える色、使えない色とは?】でも、淡いグレーや生成りといった万能色は季節を問わず活躍できると解説しています。
季節の濃い色と組み合わせれば、秋らしい奥行きのある装いが完成します。
似合う色を見つけるための肌色・顔映りの観点
着物選びでは、単に「秋らしい色」というだけでなく、自分の肌や雰囲気に合うかどうかも大切です。
たとえば、黄みがかった肌の方は柿色やマスタードなど暖色系が映えやすく、青み寄りの肌色の方は深緑やえんじ色のように少しクールな色合いを選ぶと顔映りがよく見えます。
さらに、小物で調整することも可能です。
やや顔が沈んで見える色でも、帯揚げや半襟に明るめの色を取り入れれば全体がバランスよく整います
加藤咲季さんの動画【帯揚げを綺麗にするポイントを超詳しく解説します】でも、帯揚げの色や配置で印象が大きく変わることが紹介されています。
小物を味方にして、自分の顔映りを引き立てる工夫をすると安心です。
素材と質感で“秋らしさ”を纏う紬の選び方

紬はもともと普段着やお出かけ着として親しまれてきた織りの着物です。
その素朴さや温かみは、秋の行楽にぴったり。
とはいえ、同じ紬でも産地や織り方によって風合いが大きく異なります。
また、秋は単衣から袷へと衣替えする季節でもあり、素材の選び方や重さが着心地に直結します。
ここでは、紬の種類や質感、季節に合わせた素材の選び方について見ていきましょう。
紬の織り・繊維・産地による違いと選び方
紬といっても一括りにはできません。
結城紬や大島紬など代表的なものから、郷土色豊かな産地紬まで、風合いはさまざまです。
大島紬はさらりと軽くシャープな印象があり、都会的な秋コーデに似合います。
一方、結城紬はふんわりとした手触りで柔らかく、温かみのある秋の行楽シーンにしっくりなじみます。
素材としては絹の紬が王道ですが、日常使いなら木綿や化繊の紬風着物も活躍します。
加藤咲季さんの動画【第五弾『化繊』着物に使われる素材】でも、ポリエステルは取り扱いやすく初心者にも安心と解説されています。
特に雨の日や歩き回る小旅行には、手入れのしやすい化繊を選ぶのも賢い方法です。
単衣・袷の切り替え時期と紬素材の季節感
秋は気温の変化が大きく、9月はまだ暑さが残るため単衣、10月半ばから11月にかけては袷を選ぶのが一般的です。
単衣の紬は軽やかで動きやすく、初秋の美術館巡りやランチに最適。
袷の紬は生地に重みがあり、紅葉狩りや小旅行のような深まる秋の行楽に温もりを添えてくれます。
また、素材の厚みだけでなく、質感も季節感を左右します。
さらりとした織りは初秋に、ざっくりとした風合いの紬は晩秋にふさわしい選び方です。
素材感と快適さを意識すれば、秋の外出がより楽しくなります。
色・柄・素材を活かした具体的なコーディネートアイデア

秋の紬は、色や柄、質感をどう組み合わせるかで印象が大きく変わります。
同じ紬でも、帯や小物の選び方ひとつで「活動的」「上品」「華やか」と雰囲気を調整できるのが魅力です。
ここでは、行楽シーンごとのおすすめコーディネートと、アイテム別の工夫を紹介します。
紅葉狩り・小旅行など“外で動く”シーンのおすすめコーデ
自然の中を歩く紅葉狩りや小旅行では、動きやすさと季節感を両立させたコーディネートが鍵です。
茶やカーキ、えんじ色の紬に、動きやすい名古屋帯を合わせると軽快でバランスの良い装いになります。
帯揚げや帯締めにマスタードや柿色を差すと、紅葉の景色と調和しながら華やぎを添えられます。
履物は下駄や歩きやすい草履が安心です。
加藤咲季さんの動画【着物の時の履物について語ります】でも、紬や木綿などカジュアルな着物には下駄がよく合い、行楽におすすめと解説しています。
慣れない方はクッション性のある草履を選ぶと疲れにくく、長時間歩いても安心です。
美術館巡り・ランチなど“おしゃれ重視”シーンのおすすめ
街歩きやランチでは、落ち着いた中にもおしゃれ感のあるコーデが映えます。
グレーや生成りの紬に、えんじや墨色の帯を合わせるとシックで都会的な雰囲気に。
帯留めや半襟にラベンダーや浅葱色など少し明るめの差し色を加えると、顔映りも華やかになり写真映えします。
小物で洗練度を高めるのもポイントです。
加藤咲季さんの動画【帯揚げの使える色、使えない色とは?】では、グレーや生成りの帯揚げは使い回しが効き、幅広いコーデに対応できると紹介されています。
こうした万能色をベースにしつつ、帯締めで季節の濃色を足すと、シンプルながら完成度の高い装いになります。
アイテム別アクセントの入れ方(帯・帯揚げ・帯締め・草履など)
秋の紬を引き立てるには、小物の選び方が大きな役割を果たします。
帯は濃色で全体を引き締めると安定感が出ますし、逆に明るめの帯を合わせれば軽やかな印象になります。
帯揚げは生成りやグレーをベースに、ポイントで柿色や深緑を使うと秋らしさを演出できます。
帯締めは濃紺や焦げ茶を選ぶと全体をまとめやすく、ショッキングピンクやビビッドブルーのような強い色を差すとアクセント効果が高まります。
加藤咲季さんの動画【帯揚げを綺麗にするポイントを超詳しく解説します】でも、帯揚げや帯締めは単なる補助ではなく、全体のバランスを整える重要な要素と解説しています。
草履やバッグも秋らしい落ち着いた色で統一すると、全体のまとまりが出て安心感のあるコーディネートに仕上がります。
季節をまたぐコーデで色を変えるタイミングと工夫

秋は気温や自然の色合いが移り変わる季節。
9月の残暑から11月の晩秋まで、同じ「秋」でもふさわしい色や質感は変化します。
その移ろいに合わせて紬の色や小物を調整すれば、季節感をさらに深く楽しめます。
ここでは、初秋から晩秋にかけての色の変え方と工夫を紹介します。
9月〜10月の“ゆるやかな秋”でのカラー選び
9月はまだ暑さが残り、気分は夏の延長。
そんな時期には、淡いベージュやグレーを基調にし、帯や小物で軽やかさを演出するのがおすすめです。
マスタードやオリーブグリーンを帯締めに加えると、初秋らしい落ち着きがプラスされます。
素材は単衣の紬が活躍する季節。
さらりとした質感のものを選べば、まだ蒸し暑い日でも快適に過ごせます。
加藤咲季さんの動画【第五弾『化繊』着物に使われる素材】でも、ポリエステル素材は扱いやすく、初秋の不安定な天気や急な外出にも便利と紹介されています。
こうした気軽さのある素材を取り入れると安心です。
11月以降 深まる秋・冬に向けた色・重ねアイテムの取り入れ方
11月に入ると気温が下がり、紅葉が一気に深まります。
装いも色味を濃く、重みを持たせると季節に調和します。
焦げ茶、えんじ、濃紺、深緑といった深みのある紬は、晩秋の景色に溶け込みながら落ち着いた雰囲気を作り出します。
袷の紬に切り替えるこの時期は、小物も厚みのある素材や濃い色でまとめるとバランスが取れます。
帯揚げや帯締めに濃色を使い、半襟やバッグで少し明るさを添えると重たくなりすぎません。
加藤咲季さんも、晩秋は歩く距離や寒さに備えて、履物選びを含めた快適さが大切だと解説しています。
季節の進みとともに重ね方を工夫し、快適さと季節感を両立させましょう。
まとめ
秋の行楽に紬を着るときは、色・素材・小物の3つを意識することで、季節感と快適さを両立できます。
茶や柿色、深緑といった自然由来の色を基調にし、肌映りを考えて差し色を選ぶと全体が引き締まります。
素材は初秋は単衣、晩秋は袷と切り替え、質感でも季節の深まりを表現しましょう。
さらに、帯や帯揚げ、帯締めといった小物は、全体を調和させるだけでなく、アクセントとして雰囲気を大きく変えてくれます。
履物やバッグの色・素材も秋らしいものを選ぶことで、コーディネートが一層完成度の高いものになります。
加藤咲季さんの各動画でも解説されているように、帯揚げの色使いや履物選びなどの小さな工夫が、装い全体を格上げしてくれます。
秋の景色に溶け込む紬の着物で、紅葉狩りや美術館巡り、小旅行やランチをより一層楽しんでください。

着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。
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