「夏の夕涼み会やお祭り、せっかく着物や浴衣を着るなら、簡単で映える帯結びが知りたい!」
そう思っていませんか?
華やかなイベントに合わせて着物や浴衣を着る方が増える夏。けれど実際は、こんな悩みがつきものです。
- 動きやすく涼しい帯結びがわからない
- カジュアルに見えて、ちゃんと感もある結び方を知りたい
- 写真に映える後ろ姿を自分で仕上げられるか不安
本記事では、夏のカジュアルイベントにぴったりな帯結びを厳選して紹介します。
どれも簡単に結べて、きちんと見えて、なおかつ写真映えも抜群。
さらに、イベント中に崩れにくくする工夫や、着姿をより美しく見せる小物使い・コーディネート例まで丁寧に解説していきます。
「きれいで涼しげな帯結び」は、誰でもコツさえつかめば自分でできます。
この夏、自分らしい着こなしで、周囲の視線を集めてみませんか?
Contents
なぜ帯結びは「カジュアルに見えてきちんと」が大切か

夏の夕涼み会や地域の夏祭りなど、カジュアルな場面で着物や浴衣を着るとき、帯結びには“ちょうどいいバランス”が求められます。
過度にフォーマルすぎず、かといってラフに見えすぎない。そんな絶妙な印象を作る鍵が「帯の結び方」なのです。
帯は後ろ姿の主役であり、その形ひとつで着姿全体の雰囲気が変わります。
特に写真を撮る機会が多いイベントでは、帯の存在感がコーディネート全体の完成度を左右します。
本章では、帯結びに求められる“カジュアルだけどきちんと”の理由と、その基準について解説します。
イベントにふさわしい印象と着心地のバランスとは
夕涼み会や夏祭りといったカジュアルイベントでは、リラックスした雰囲気を大切にしたいものです。
けれど、着物や浴衣を着るときに「ラフすぎる着姿」になってしまうと、せっかくの装いがだらしなく見えてしまうリスクもあります。
そのため、「カジュアルに見えてきちんと感もある」印象づくりが必要になります。
帯の結び方は、まさにその印象を決める大事なポイント。
結びが雑だったり、左右のバランスが崩れていたりすると、全体の着姿が不格好に見えてしまうのです。
一方で、かっちりしすぎた結び方を選ぶと、今度は季節や場の空気に合わなくなってしまいます。
フォーマルな結び方(例:お太鼓結びなど)は、格式高くなりすぎてしまうため、夏のカジュアルイベントにはやや不向き。
つまり、程よく華やかで、ほどよく抜け感のある帯結びが、夏のイベントには最適なのです。
結び方の選び方ひとつで、「この人、着慣れているな」と思わせる着姿になります。
帯の素材・結び方が涼しさと動きやすさにどう影響するか
夏場のイベントは気温も湿度も高く、着物や浴衣を着ているだけで汗ばんできます。
だからこそ、帯まわりに「熱をこもらせない工夫」が不可欠です。
締めつけすぎない帯、通気性のある素材、そして短時間で形が決まる帯結び。この3つを揃えることで、暑さによる不快感をかなり軽減できます。
例えば、「兵児帯(へこおび)」は柔らかく結びやすく、通気性もよいため夏の着物に最適な素材です。
また、「半幅帯」も涼しく軽いため、自由度の高いアレンジ結びに向いています。
帯の結び方自体も、あまり複雑すぎないものを選ぶのが正解。手数が少なく、1〜2分で形になるような結び方であれば、支度も楽になり、着崩れのリスクも減ります。
涼しく、快適で、そして機能的。だからこそ、「素材」と「結び方」にはこだわりたいところです。
この考え方は、加藤咲季さんの動画【第五弾「化繊」着物に使われる素材】でも解説されています。
自分で簡単&映えるおすすめ帯結び(初心者〜中級向け)

「帯結びは難しそう」「動画を見てもなかなか真似できない」……そんな声をよく聞きますが、実は“ちょっとした工夫”と“ポイントを押さえたやり方”さえ知っていれば、誰でも簡単に仕上げることができます。
本章では、特に初心者から中級者におすすめの「簡単なのに華やか」「涼しくて崩れにくい」帯結びを厳選して3つ紹介します。
いずれも着物や浴衣どちらにも使え、写真にも映える実力派。
結び方はもちろん、着姿がぐっと映えるコツまで丁寧に解説します。
「リボンパタパタ結び」:大人可愛い&後ろ姿が映える
「簡単なのに華やかで、誰でもできる帯結びを探している」――そんな方にぴったりなのが「リボンパタパタ結び」です。
リボンパタパタ結びは、兵児帯や柔らかめの半幅帯を使って結ぶアレンジ型。
大きめのふんわりリボンを数段重ねることで、ボリュームがありながらも軽やかな仕上がりになります。
まるで蝶の羽のような形が後ろ姿を華やかに彩り、写真映えも抜群。
特徴は、複雑な手順が不要なこと。
帯をたたんで重ねていくだけで形が決まり、仮紐や三重仮紐があれば短時間で完成します。
初心者でも慣れれば5分以内で仕上げることができ、着付けが不慣れな人にも安心です。
また、柔らかい兵児帯を使えば体にフィットし、圧迫感が少なく動きやすい点も夏向けの大きなメリット。
軽く涼しく、それでいて可愛い。まさに「夏のイベントで着映えするための帯結び」といえます。
この結び方のポイントは、羽根のバランスと高さ。
帯の中央が下がりすぎないように注意し、結び目が腰の中心にくるよう整えると、後ろ姿が一層美しくなります。
「矢の字結び」:粋でスッキリ、大人っぽい涼やかさ
「可愛らしさよりも、粋で落ち着いた雰囲気を演出したい」そんな方には「矢の字結び」が断然おすすめです。
矢の字結びは、帯を矢印のようなシャープな形に結ぶスタイル。
帯幅を畳んでコンパクトにまとめるため、背中に余計なボリュームが出ず、シンプルかつスッキリとした後ろ姿に仕上がります。
特に夏のイベントでは、動きやすくて涼しい結び方が好まれますが、矢の字は帯が重ならずに広がらないため、風通しも良く見た目にも涼しげ。
加えて、帯が体に密着しすぎないため、着崩れもしにくいという実用面も魅力です。
兵児帯よりもハリのある半幅帯を使うことで、形がきれいに出やすくなります。
結び目の位置をやや低めにすると、背中がすっきり見えて落ち着いた印象になります。
また、この結びは男女兼用で使われるスタイルでもあるため、ユニセックスな雰囲気を好む方にもおすすめです。
浴衣にもカジュアルな着物にもよく似合い、「着慣れている感」を出せる帯結びです。
「貝の口結び」:固定力が高く動いても崩れにくい
長時間のイベントで座ったり歩いたりする場面が多いときには、「貝の口結び」が重宝します。
見た目は非常にシンプルですが、帯の固定力が高く、動きの多い日でもほとんど崩れることがありません。
結び方は、帯を折りたたんでから中央をくるりと巻き、横から見ると「貝」のようにコンパクトにまとまった形になります。
腰まわりにぴたっと沿うため、着物や浴衣のシルエットが美しく見えるという効果もあります。
この結びは「男帯」としても使われていることから、実用性と機能性に優れた帯結びです。
特に風の強い日や、長距離の移動があるような場面では抜群の安定感を発揮します。
「可愛い結びよりも、快適さ重視でしっかり固定したい」そんな大人女性にぴったりの帯結びです。
シンプルでありながら、帯の色や素材を工夫することで洗練された印象に仕上がります。
さらに華やかにしたい人向けのアレンジ結び(やや中級)

「もう少し凝った帯結びに挑戦したい」「写真映えする後ろ姿を作りたい」――そんな中級者向けにぴったりの帯結びが存在します。
基本の結び方に、少しだけ手を加えるだけで、一気に華やかでボリューム感のあるアレンジが完成します。
イベントの主役になれるような美しい後ろ姿は、夏の思い出を特別なものにしてくれます。
ここでは、浴衣や夏着物に合わせて楽しめる“映えるアレンジ結び”を2つ紹介します。
複雑に見えても、工程を押さえれば十分に自分で結べるので、ぜひ挑戦してみてください。
「ダブルリボン結び/変わりリボン結び」:華やかで写真映え
華やかさとボリューム感を両立したいなら、「ダブルリボン結び」または「変わりリボン結び」がおすすめです。
いずれもふんわりとしたリボンが複数重なる構造で、まるで花のような立体感が生まれます。
この帯結びの最大の魅力は、背中に大きく広がる羽のようなフォルム。
イベント会場や夜の灯りの中でも、美しく際立つシルエットです。
特に、後ろ姿を撮影する写真でその存在感が際立ちます。
使用する帯は、兵児帯や柔らかいリバーシブル帯が最適です。
結び目に重ねたリボンがボリュームを生むため、帯にハリがありすぎると形が崩れやすくなるため注意が必要です。
手順は多いものの、三重仮紐を使えば羽根を複数重ねる作業が安定し、形も整えやすくなります。
最初はやや練習が必要ですが、慣れれば「人と被らない帯結び」として、自分らしさを表現できるようになります。
「お花アレンジ結び/プリーツ結び」:動きと立体感のある演出
立体的な装飾を加えたい人には、「お花アレンジ結び」や「プリーツ結び」がおすすめです。
どちらも帯にギャザーやプリーツを寄せることで、動きのある形状が生まれます。
「お花アレンジ結び」は帯を何重にも重ねて畳み込み、中央を結んで花のような丸みを作るスタイル。
華やかさの中に可憐さがあり、特に夕方から夜のイベントで光に映えやすく、存在感を引き出します。
一方「プリーツ結び」は、あえて折り目を等間隔に並べてモダンな印象に仕上げる技法。
スッキリした雰囲気が好きな方に向いており、粋な着こなしにもよく合います。
どちらもアレンジ性が高いため、同じ帯でも結び方を変えるだけで印象がガラリと変わります。
また、帯揚げや帯締めをプラスすることで、完成度が一気に高まります。
着物や浴衣に合わせて自由にアレンジを楽しみたい方には、これらの帯結びが最適です。
見た目以上にしっかり固定できるため、動きやすさも損なわれません。
帯崩れ防止&涼しく過ごすコツ

せっかくきれいに結んだ帯も、時間が経つにつれて崩れてしまっては台無しです。
特に夏場は汗や湿気、体の動きによって帯がずれてしまいやすく、気づけば形が崩れていたということも少なくありません。
また、暑さや蒸れによる不快感を減らすことも、夏の着物や浴衣姿を快適に楽しむうえで欠かせないポイントです。
ここでは、「帯崩れを防ぐための道具の使い方」と「涼しさを保ちつつ快適に過ごすための素材選びと補正の工夫」を解説します。
どれも加藤咲季さんの動画で解説されている視点を含め、自分で実践できる内容です。
三重仮紐・帯締め・クリップの活用法
帯結びを長時間きれいに保つには、見えないところで“支え”になる道具を上手に使うことが重要です。
特に活躍するのが「三重仮紐」「帯締め」「クリップ」です。
三重仮紐は、アレンジ結びの羽根やリボンの形を整えるときに最適な道具。
3本のゴム紐がついており、1本ずつ異なるパーツを挟んで固定できるため、結び目をしっかり安定させることができます。
リボンパタパタ結びやダブルリボンなど、ボリュームのある帯結びには欠かせません。
帯締めは見た目を引き締めるだけでなく、帯の中心をしっかり押さえてずれを防ぐ実用的なアイテム。
体にぴったりとフィットさせることで、歩いても座っても帯が緩みにくくなります。
さらに、帯結びの途中で手を離したいときや、形を仮固定したいときにはクリップが便利です。
帯専用のクリップで挟んでおくことで、両手が使えて作業効率もアップします。
補正・素材選び・体型別のアレンジポイント
涼しさと着崩れ防止の両方を叶えるには、肌に直接触れる素材と、体型に合わせた補正の仕方が鍵になります。
まず注目したいのは「帯の素材」。
夏は通気性が良く、柔らかい兵児帯や薄手の半幅帯が人気ですが、帯芯の厚さや生地の張りによっても着心地は変わります。
軽くて薄手の帯は涼しい反面、形が崩れやすいため、芯を足すか結び方を工夫して安定させる必要があります。
また、補正は汗を吸いやすく体にフィットしやすいガーゼ素材などを使い、お腹まわりを軽く整えるだけで十分です。
逆に補正しすぎると熱がこもり、暑さを倍増させてしまうため要注意。
さらに、体型に合わせた結び方の調整も有効です。
たとえばウエストが細めの方は、帯の結び位置をやや下げると安定感が増し、帯が浮きにくくなります。
一方、腰が張っている方は帯の羽根を上方向に広げることで、全体のバランスが取れます。
素材と補正、体型に合ったスタイリングを意識すれば、涼しく快適に過ごせる夏の着姿が完成します。
コーディネート例:夕涼み会や夏祭りにぴったりな帯結び&小物の組み合わせ術

どんなに帯結びが素敵でも、全体のコーディネートがちぐはぐだと印象が台無しになってしまいます。
逆に言えば、帯や小物とのバランスが整えば、シンプルな結び方でも洗練された着姿に仕上げることができます。
ここでは、着物や浴衣の色柄に合わせた帯の選び方、小物との組み合わせ方を具体的に紹介します。
「どんな色が合わせやすいの?」「カジュアルに見せるにはどうする?」といった疑問にも応えながら、夕涼み会や夏祭りの雰囲気に合った着こなしを提案します。
着物や浴衣・帯・帯揚げ・帯締めの色合わせ&涼素材の選び方
夏のコーディネートでは、「色合わせ」と「素材感」の両方が印象を大きく左右します。
まず色合わせについては、着物や浴衣のベースカラーに対して、帯や帯揚げ、帯締めを“反対色”や“同系色の明度差”で調整すると、まとまりがありつつ印象的な着姿になります。
たとえば淡い水色の浴衣に、薄グレーの帯、ラベンダーの帯揚げ、白銀の帯締めを合わせれば、全体が涼やかで透明感のある印象に。
一方で、濃紺やえんじなど深みのある着物には、ショッキングピンクやビビッドブルーなどの帯を合わせることで、カジュアルなアクセントを効かせることができます。
加藤咲季さんの動画【帯揚げの使える色・使えない色とは?】では、淡いピンクや気なりの白が特に汎用性が高いと紹介されています。
フォーマルすぎず、どんなコーデにもなじみやすいため、1本持っておくと便利です。
また、素材については「透け感」があるとより夏らしい印象になります。
紗や絽の帯、麻や綿の着物素材、そして兵児帯や綿麻の帯など、見た目にも軽やかな質感を選ぶことで、見た目の涼しさと実際の快適さの両方が手に入ります。
下駄やバッグなど小物でカジュアル&きちんとバランスを整える
着こなし全体の“格”を決めるのが、小物の選び方です。
カジュアルな場でも品良く見せたいなら、「遊び心のあるアイテム」+「上品なディテール」の組み合わせが効果的です。
たとえば、下駄は浴衣に合わせがちですが、鼻緒の色柄や素材を選ぶだけで印象は大きく変わります。
無地で太めの鼻緒は安定感があり、きちんと感も演出できます。
逆に、ビビッドな柄物の鼻緒を選べば、遊び心が強調されて一気に華やかに。
バッグは、竹かごや麻素材の巾着袋など、ナチュラル素材で統一感を出すのがおすすめ。
中でも最近人気なのが、巾着型の2wayバッグ。
和洋どちらの装いにもなじみ、斜めがけにも対応できるので両手が空いて便利です。
さらに、髪飾りやピアスなどのアクセサリーもポイント。
うちわや扇子をさりげなく取り入れると、夏らしさと実用性を兼ね備えた“こなれ感”のある着姿が完成します。
加藤咲季さんの提案でも、小物選びは「軽さ」「涼しさ」「馴染みやすさ」が鍵とされています。
華美になりすぎず、けれど一つひとつのアイテムが意味を持つ。
そんな細やかな工夫が、着こなし全体の完成度を引き上げてくれます。
まとめ
夏の夕涼み会やお祭りなど、カジュアルなイベントこそ着物や浴衣の魅力を存分に楽しめる場面です。
だからこそ、帯結びは「カジュアルに見えて、きちんと美しい」ことが大切。
さらに、涼しさや快適さ、そして写真に映える華やかさまで兼ね備えたスタイルを目指したいところです。
本記事では、初心者でも自分で結べる簡単な帯結びから、少し凝ったアレンジまで幅広く紹介しました。
どの結び方も、帯の素材や体型に合わせた工夫を取り入れれば、長時間でも崩れにくく快適に過ごすことができます。
小物や色合わせによって印象は大きく変わります。
細部にこだわることで、同じ着物や浴衣でも着こなしに“深み”が生まれ、より魅力的に映るはずです。
大切なのは、自分の「好き」と「快適さ」をバランスよく取り入れること。
今回紹介したコツや帯結びを活用して、自分らしい夏の着姿を楽しんでみてください。
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