「クリスマスに着物で出かけたいけど、どんな色を選べば浮かない?やりすぎにならない?」
そんなふうに迷っていませんか?
冬のイルミネーション、ホテルディナー、友人とのホームパーティーなど、12月はおしゃれを楽しみたくなるシーンがたくさんあります。
でも、洋服と違って“季節感を出す”和の配色バランスが難しいのが着物コーデ。
特に「赤や緑って本当にアリ?」「いつもの着物にどう色を足せばいいの?」と悩む方は多いのではないでしょうか。
この記事では、次の3つの疑問を中心に解決していきます。
- クリスマスに合う「和装らしい」色の選び方は?
- 手持ちの着物を活かす、配色ルールと差し色の位置は?
- イルミネーションやホテルディナーなど、シーン別に映える組み合わせは?
上品に季節感を出すコツは、色そのものよりも「使い方」にあります。
ベースカラーとの調和、小物でのアクセント、そしてやりすぎを防ぐトーン調整。
この3点を押さえるだけで、手持ちの着物でも華やかで洗練されたコーデが完成します。
そして、見落としがちですが「洋服と違って、着物は素材感や光の反射でも印象が変わる」という特徴も。
記事後半では、時間帯やロケーションに応じた色の見せ方についても紹介します。
それではここから、具体的な色選びのポイントを順を追って解説していきます。
Contents
クリスマスシーンで「色選び」が重要な理由|季節感と着物ならではの調和

12月のイベントには、洋服とは違った“和の趣”を取り入れたいという声が多く聞かれます。
特にクリスマスは、着物で出かけるだけで非日常感が増し、周囲からも注目されやすい時期です。
しかし、華やかに見せたい反面、赤や緑などの典型的なクリスマスカラーをそのまま使うと「浮いてしまわないか」と心配になるのも自然なことです。
着物は色だけでなく、柄の季節感、素材感、そしてTPO(場の空気)との調和が重要視される装い。
そのため、単に“クリスマスカラー”を取り入れるのではなく、「どんな場で、誰と、どのように過ごすか」を考えながら色を決めていくことが大切です。
この章では、まずクリスマスにおける色の基本的な意味と、着物としての取り入れ方。
そして、着物特有の“トーン調整”について詳しく解説していきます。
クリスマスカラーの意味と和装での受け取り方
クリスマスの象徴的なカラーといえば、赤、緑、白、そして金や銀が挙げられます。
それぞれに込められた意味も深く、赤は「愛・情熱」、緑は「永遠の命・再生」、白は「純粋さ・平和」、金銀は「希望や光」とされています。
洋服では比較的ストレートに使われるこれらの色も、着物の場合は少し異なります。
和装においては、これらの色を“どう配置するか”が重要となり、全身に強く反映させると過剰に見えることもあるため注意が必要です。
たとえば、緑は「深緑(もしくは松葉色)」として帯に取り入れたり、赤は「臙脂」や「えんじがかった朱色」にして帯揚げや帯締めで差し込むなど、伝統色に寄せて使うことで季節感を保ちつつ、上品さも両立できます。
赤と緑をそのまま取り入れるよりも、「和名のトーンで抑えた色使い」にすることが、クリスマスの空気感と着物らしさを両立する第一歩となります。
着物は色だけでなく“トーン”でも印象が変わる
着物コーディネートでは「どの色を使うか」よりも「どのトーン(明度・彩度)で使うか」が、印象を左右する大きな要素です。
たとえ赤や緑でも、原色に近い鮮やかさのままでは浮いてしまいがちですが、トーンを落として「深みのある色」に変えるだけで、大人っぽく洗練された装いになります。
たとえば、赤ならば「ボルドー」「臙脂(えんじ)」に寄せ、緑は「松葉色」「青緑」など渋みを持たせると、着物の地色や柄とも馴染みやすくなります。
白や金銀も同様に、真っ白ではなく「生成り」や「アイボリー」、ギラついた金ではなく「落ち着いた金糸」といった選択を心がけると良いでしょう。
加藤咲季さんも動画内で、「着物は“素材感や光の反射”によって見え方が大きく変わる」と解説しています(※)。
光の強いイルミネーション下や、柔らかな照明のレストランなどでは、色の明暗が違って見えることもあるため、やや控えめなくらいのトーンで調整するのがポイントです。
※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?
手持ち着物を活かす色の配色ルール|ベース・主役・アクセントの決め方

「クリスマスっぽさを出したいけど、わざわざ赤や緑の着物を新調するのは難しい」。
そんな声に応えるためには、手持ちの着物を活かした配色設計が不可欠です。
着物コーデは大きく「ベースカラー(着物の地色)」「主役(帯や柄で目を引く部分)」「アクセントカラー(帯締め・帯揚げ・半衿など)」の3層で構成されています。
この3つの色がそれぞれ役割を果たすことで、全体にバランスと季節感が生まれます。
ここではまず、ベースカラーに選ぶべき色の考え方から見ていき、その後にアクセントカラーの配置場所と使い方、さらにやりすぎにならない配色バランスの調整方法まで解説していきます。
ベースカラーの選び方(落ち着いた冬色)
着物においての「ベースカラー」とは、いわばキャンバスとなる色。
最も面積が広く、全体の印象を左右する重要な部分です。
特に冬場は、落ち着いた深みのある色を選ぶことで、クリスマスの華やかさを程よく引き立てることができます。
たとえば「黒」「濃紺」「チャコールグレー」「深緑」などは、冬の寒色系として安心感と安定感をもたらします。
これらの色は背景として機能しやすく、赤や金、白といった差し色を上品に引き立てる土台となります。
一方で「柔らかい生成り」「淡いグレー」「くすんだピンク」なども、冬の静けさや優しさを感じさせるベースとして使いやすい選択肢です。
これらは特に昼間のお出かけや、友人宅でのホームパーティーなど、カジュアルで柔らかい雰囲気の場に適しています。
ベースカラーを決める際は、シーンに応じて「引き立て役としての役割」を意識することが大切です。
あくまで主張を抑え、帯や小物が活きる背景をつくることで、手持ちの着物でもクリスマスらしい空気感を演出できます。
アクセントカラーの位置と役割
アクセントカラーは、季節感やテーマを伝える最も効果的な手段です。
ただし広範囲に使うのではなく、面積を小さく“ピンポイント”で効かせるのが着物ならではのテクニックです。
主に活用できる位置は「帯揚げ」「帯締め」「半衿」「伊達衿」の4カ所。たとえば赤系を使うなら、帯揚げや帯締めに臙脂や朱色を選ぶことで華やかさを添えつつ、やりすぎ感を避けられます。
加藤咲季さんも動画内で「ピンク系やグレー系の帯揚げは使い回しが利きやすい」と解説しており、淡く柔らかい色で季節感を添える工夫が紹介されています(※)。
また、金や銀を取り入れるなら「帯締めの飾り部分」や「伊達衿の縁取り」など、光が当たることでさりげなく反射する箇所に留めるのが効果的。
光沢のある素材は一歩間違えると派手になりすぎるため、面積は抑えつつも照明やイルミネーションと相性のよい位置を意識しましょう。
アクセントカラーは、「主張する」のではなく「雰囲気をつくる」ための色。
場所とトーンを意識することで、簡単に印象を変えることができます。
※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?
やりすぎない差し色バランスの黄金比
着物コーディネートでありがちな失敗が、差し色の使いすぎです。
特に「クリスマスらしさ」を意識するあまり、帯や小物すべてに赤や緑を使ってしまうと、視線が散り、子どもっぽい印象にもつながってしまいます。
おすすめしたいのは、「ベース:主役:アクセント=6:3:1」のバランスを意識すること。
たとえば、黒や紺の落ち着いた着物に、金の帯を合わせ、帯揚げに赤みのある差し色を一か所だけ添える。
これだけでも十分にクリスマスらしいムードを表現できます。
また、トーンの統一も効果的です。すべての色を「くすみ系」や「深みのある色」で揃えることで、派手にならず、自然なまとまりを出せます。
加藤咲季さんも「淡いピンクやグレーの帯揚げはどんなコーデにも合わせやすい」と語っており、色数を絞り、控えめな色でまとめることの大切さがわかります(※)。
全体の調和を第一に考え、差し色は「目立たせたい場所を1カ所だけ選ぶ」という意識が、洗練された装いへと導いてくれます。
※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?
シーン別の色・素材と合わせ方|クリスマス食事会・イルミネーション・友人の集まり

クリスマスといっても、出かける場所や過ごす時間帯によって、似合う色や素材の見せ方は変わります。
たとえばホテルディナーでは上品で控えめな輝きが好まれる一方、イルミネーションのような夜の屋外では照明に映える華やかさが求められます。
また、友人宅での集まりなどカジュアルな場では、気取りすぎないリラックス感を出すことも大切です。
ここでは、代表的な3つのシーンごとに、季節感を取り入れつつ場に馴染む配色と素材感の使い分けについて紹介していきます。
ホテル・レストラン向け|上品で華やかに見せる色選び
格式や品格が求められるホテルディナーやレストランでの食事会では、派手すぎず、でもほんのり華やかな配色が求められます。
おすすめは、落ち着いた色をベースに「光を含んだ素材」や「控えめな金銀」の差し色を取り入れること。
たとえば、深いネイビーや黒、チャコールグレーといった落ち着いた着物に、金糸や銀糸の入った帯を合わせると、照明の下でやわらかく輝き、クリスマスらしい華やかさを演出できます。
加えて、帯揚げや帯締めに「淡いピンク」「生成り」「パール感のある白」などを添えると、女性らしい優しさと季節感の両立が可能です。
ポイントはあくまで“控えめな主張”であること。
全体にギラつかせるのではなく、光が当たったときにふわっと輝く程度が最も上品に見えます。
また、素材面では「柔らかい光沢をもつ綸子(りんず)」や「控えめなラメ糸」が織り込まれた帯などが、華美になりすぎずにフォーマル感を演出してくれるのでおすすめです。
イルミネーションや夜の外出|光を引き立てるカラー術
イルミネーションや夜の外出では、光との相性を考えた色選びが鍵になります。
日中と違い、暗い背景に照明が映える夜の場では、彩度や光沢感のある素材が映えるのが特徴です。
このような場面では、黒や深緑、ボルドーなどの深い色に「金」「銀」「赤」の差し色を入れることで、光に反射して華やかさが引き立ちます。
たとえば黒の着物に赤の帯締めを添えるだけでも、夜の光の中では鮮やかに浮かび上がり、印象的な装いになります。
帯にラメや金糸が織り込まれているものを選んだり、帯揚げにややツヤ感のある素材を選ぶことで、着姿全体に立体感が生まれます。
加藤咲季さんも「淡い色よりも、トーンのはっきりした色がアクセントになる」と話しており、暗がりの中ではやや強めの色を選ぶことで、存在感を際立たせることができます(※)。
ただし、全身に光沢感を入れると「舞台衣装」のように見えてしまうこともあるため、あくまで帯や小物などのポイント使いに留めることが大切です。
※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?
友人宅の集まり|カジュアルだけど季節感が伝わる色選び
ホームパーティーや友人宅での食事会など、少しカジュアルな場面では「気張らないけれど季節感はある」というコーディネートが理想です。
このようなシーンでは、着物そのものは「ベーシックな色」でOKです。
生成り、グレー、淡いピンク、ラベンダー系などをベースに、帯や小物で赤や緑、金などのアクセントを軽く添えると、程よい華やかさを演出できます。
加藤咲季さんも「グレーや淡い色の帯揚げは万能で、どんな着物にも合わせやすい」と語っており、目立ちすぎない色でアクセントを作ることの大切さが分かります(※)。
また、素材選びにも一工夫を。
ウールやポリエステル素材のカジュアルな着物に、木綿の帯やウール混の帯揚げを合わせることで、全体の空気感がぐっと柔らかくなります。
冬のクリスマスらしさを伝えたい場合は、赤ベースに細かい花柄や雪の結晶モチーフが入った半衿なども、さりげない演出として効果的です。
カジュアルな場では、着崩れやすい高級素材よりも「動きやすさ」「温かさ」「洗える素材」など、実用性を優先するのもコーディネートの質を高める秘訣です。
※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?
よくある色選びの失敗例と回避ポイント

クリスマスシーズンの着物コーディネートでは、「季節感を出そうとして失敗する」という声が多く聞かれます。
せっかくのイベントなのに、色選びを誤ると派手すぎたり、逆に地味になりすぎてしまったりと、イメージしていた装いとはかけ離れてしまうことも。
特に、赤や緑などの“クリスマス感のある色”は、扱い方次第で大きく印象が変わります。
ここでは、よくある失敗パターンとその回避方法を、具体例を交えて紹介します。
原色の多用で“子どもっぽく”ならないための注意点
赤や緑などの原色をそのまま多用すると、視覚的に強く主張しすぎてしまい、着物の上品さが損なわれる場合があります。
特に赤は、鮮やかな朱色を帯や帯揚げ、帯締めなど複数箇所で使うと、どうしても「お正月感」や「七五三のような印象」になりがちです。
加藤咲季さんも動画の中で、「着物の色は、派手な色ほど“どこで使うか”を意識することが大切」と語っており、色の強さは“範囲”と“配置”で調整するのが基本とされています(※)。
子どもっぽく見せないためには、赤や緑を「深みのある色」に変換するのがポイントです。
たとえば赤ならば「臙脂」「ボルドー」、緑ならば「松葉色」「青緑」といったトーンを落とした色を選ぶことで、落ち着きと洗練された印象を保つことができます。
また、1箇所にだけ強い色を使い、他は控えめに抑えることで、大人の女性らしいコーディネートが完成します。原色は「アクセント」としてピンポイントで取り入れるのが成功の秘訣です。
※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?
色同士の干渉を避ける配色のルール
色を複数組み合わせるときに起こりがちなのが、「色同士がぶつかってちぐはぐに見える」という現象です。
これは主に、補色関係(反対の色)や明度差の大きい色を近い位置に配置することによって起こります。
たとえば、赤と緑は補色関係にあるため、隣接して使うと互いに色が際立ちすぎてしまい、落ち着きがなくなる原因になります。
このような場合は、どちらかの色を“くすませる”または“面積を小さくする”ことで調和が取りやすくなります。
さらに、色の明度や彩度を揃えることも重要です。
たとえば「深緑の帯」に「ボルドーの帯締め」を合わせるなど、どちらも“深みのある色”で統一すると、自然なまとまりが生まれます。
加藤咲季さんも「同じグループのトーンでまとめると、色が喧嘩しない」と話しており、配色において“トーンの統一”が非常に効果的であることがわかります(※)。
また、色同士が強くぶつかる場合には、「間に中間色(生成り・グレーなど)」を挟んで、色の緩衝材として使うのもおすすめです。
これにより、目に優しい配色になり、着姿全体が落ち着いて見えます。
※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?
まとめ
クリスマスに着物を着て出かけるというのは、特別感がありながらも難易度が高いと感じられがちです。
しかし、色選びのルールを理解すれば、手持ちの着物でも十分に華やかさと上品さを両立させることができます。
まず意識すべきは、着物コーディネートにおける「色の役割分担」です。ベースカラーは深みのある色やニュートラルな色を選び、全体を安定させる。
主役となる帯は、控えめな華やかさを持つ金銀や柄で存在感を出す。そしてアクセントカラーは、帯揚げや帯締め、半衿など面積の小さい部分でクリスマスカラーを差し込むことで、やりすぎ感なく季節感を演出できます。
さらに、色のトーンや明度の調整は印象を左右する鍵です。赤や緑は「和の伝統色」に寄せて深みを持たせ、派手な印象を避ける。
光との相性を考慮し、イルミネーションや照明の下でも自然に映える素材感を選ぶと、着姿全体が美しく引き立ちます。
加藤咲季さんの動画でも、「色の選び方ひとつで、手持ちの着物がぐっと今っぽく見える」と繰り返し解説されています。
小物や素材の工夫を加えることで、レンタルや新調をしなくても、今ある着物で十分に季節感を表現することが可能です。
クリスマスの装いに正解はありませんが、「色を効果的に配置する」ことで、大人の女性らしい品格と華やかさが両立します。
ぜひ今回の配色ルールを活用して、自分らしいクリスマスコーディネートを楽しんでください。
着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。
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