七五三を季節別に無理なく準備する方法|前撮り+別日参りで混雑も天候も安心

「七五三の準備って、結局いつから何をすればいいの?」

そんなふうに感じていませんか? 

お子さまの健やかな成長を祝う大切な行事とはいえ、初めてだと「着物はどう選ぶ?」「親も和装?洋装?」「混雑する秋を避けるには?」と迷うことが多いはずです。

この記事では、こんな疑問を持つ方に向けて、

  • 季節別に見る七五三準備のベストタイミング
  • 子どもと親の衣装選びのポイントと下準備
  • 前撮りと参拝日を分ける柔軟な進め方

の3点を軸に、無理なく準備を整える方法を解説していきます。

七五三は「秋にするもの」と思われがちですが、実は季節をずらすことで、混雑や体調不良、天候不良のリスクを減らせる工夫もあります。

さらに、衣装や持ち物の事前準備を押さえておけば、当日を安心して迎えることができます。

この記事を通じて、「ちゃんとした段取り」と「柔軟な選択肢」の両方を知っていただければと思います。

家族全員が笑顔で過ごせる七五三を、一緒に目指していきましょう。

季節で変わる「準備」ポイント ― 春・夏・秋・冬別プラン

七五三の本番は秋の11月15日が通例ですが、実際にはその前後に分散して行う家庭が増えています。

写真撮影、神社参拝、親族との食事会を別日で調整するケースも多く、季節をずらして準備や本番を進めるのは、もはや一般的な方法です。

季節ごとに向いている準備や行動は異なり、衣装の選び方や体調への配慮も変わってきます。

ここでは、春・夏・秋・冬の季節ごとの特徴と、おすすめの過ごし方を解説します。

春〜初夏:早め前撮り+衣装選びの幅が広がる時期

春は比較的気候が安定しており、ロケーション撮影や衣装選びに向いている時期です。

気温が上がりすぎず、桜や新緑を背景にした写真も魅力的です。

特に4〜5月の前撮りは、混雑を避けながら準備を進められるため、衣装の選択肢も多く、予約も比較的取りやすくなっています。

春に前撮りを済ませておくと、秋に参拝だけをゆったり楽しめる「分散型」のプランが可能になります。

日焼けや体調不良のリスクも少なく、特に3歳や7歳の小さなお子さまには最適な季節です。

夏:前撮りのピーク。予約競争と日焼けリスク

夏休みは前撮り需要が急増するため、人気スタジオやフォトプランの予約は早めに埋まりがちです。

特にお盆前後は予約が集中するため、6月〜7月のうちに検討・予約を済ませておくと安心です。

注意したいのは、屋外撮影時の暑さと日焼けです。

和装は熱がこもりやすく、撮影時間も長引く傾向があるため、早朝や屋内スタジオを選ぶなどの工夫が必要です。

撮影後に体調を崩すお子さまもいるため、水分補給や撮影時間の短縮も考慮しましょう。

秋(本番期):定番シーズンの混雑・天候配慮

10月〜11月は七五三の本番期であり、神社もスタジオも混み合います。

この時期にすべてを集中させると、天候不良や混雑、子どもの体調不良といった予期せぬトラブルが重なる可能性があります。

そのため、秋に参拝を行う場合は、前撮りを済ませておくのが最も安心です。

特に11月15日近辺は予約が取りづらくなるため、10月中旬〜下旬に参拝する家庭も増えています。

日程は早めに仮押さえし、予備日も設けておくと、より柔軟に対応できます。

冬〜春(時期外れ):静かな環境と撮影代優遇の可能性

12月〜2月の冬季や、3月の春先は七五三の「オフシーズン」にあたりますが、実は混雑を避けたい家庭には狙い目の時期です。

特に1月以降は、スタジオも神社も空いているため、落ち着いた雰囲気の中で撮影や参拝を行うことができます。

スタジオによっては、繁忙期を避けた前撮り・後撮りに割引を設けているケースもあり、経済的にも負担が軽減される場合があります。

ただし、気温の低さには注意が必要です。

防寒対策と、子どもの負担を考えたスムーズな段取りが求められます。

七五三準備スケジュールの全体設計

七五三は秋のイメージが強い一方で、実際の準備は半年以上前から始まることが多くなっています。

特に着物や撮影、神社予約などは人気の日時に集中するため、早めの段取りが満足度を大きく左右します。

ここでは、実際に七五三を迎えるまでに押さえておきたい「時期ごとのToDoリスト」を紹介します。

季節別のスケジュール調整や衣装準備の進め方を、時系列で把握しておきましょう。

半年前〜3か月前:情報収集・日程仮決め・着物選定

七五三本番の半年前(4月〜6月頃)には、全体の流れや選択肢を把握するための情報収集を始めましょう。

まず決めるべきは、参拝日と撮影日の方針です。

両日を分ける「前撮り+別日参り」や、「本番1日集中型」など、自分たちに合ったプランを想定します。

この時期に衣装のレンタル予約を入れておくと、人気の着物や希望のサイズを確保しやすくなります。

自前の着物を使う場合も、サイズ確認や肩上げ・腰上げの有無をチェックし、必要であれば早めに仕立て直しを依頼しておくと安心です。

3か月前〜1か月前:予約確定・下準備・小物チェック

本番の3か月前からは、撮影や神社の正式予約を行い、詳細スケジュールを固めていきます。

衣装の試着や美容室との調整もこの時期が最適です。兄弟の衣装や親の服装も同時に整えておきましょう。

特に自前着物を使う場合は、半衿の縫いつけ、草履・足袋のサイズ確認、肌着や補正タオルの用意など、細かい部分の準備が増えてきます。

写真撮影や神社参拝時に必要な小物も一覧にして、不足があれば買い足しておきましょう。

1か月前〜当日:最終確認・体調管理・段取りリハーサル

直前期には、持ち物リストの確認や、撮影・参拝当日の段取りを家族で共有しておきます。

衣装のしわ伸ばしや、小物の再確認、親の髪型・着付けの段取りもここで確定しておきましょう。

特に注意したいのが、子どもの体調と生活リズムの調整です。

七五三本番は長時間の外出になることも多く、体力や集中力が試されます。

できるだけ数日前から早寝早起きのペースに戻し、前日は無理をせず静かに過ごすのが理想です。

体調に不安がある場合の予備日設定も忘れずに。

子ども衣装・親(母・父)衣装の選び方と準備

七五三の主役は子どもですが、衣装は本人だけでなく親の分も含めて全体のバランスを意識する必要があります。

特に和装を選ぶ場合、格の合わせ方や色味の調整を意識することで、統一感のある家族写真になります。

また、子どもの着物には肩上げ・腰上げが必要なものが多く、自前の着物を使う場合には事前準備が欠かせません。

ここでは、子どもと親それぞれの衣装選びと、事前にしておくべき準備を紹介します。

子ども:被布・四つ身・袴の選び方と季節対応

七五三で着用する子ども用の和装は、年齢や性別によって異なります。

3歳は被布、5歳は羽織袴、7歳は四つ身が基本スタイルです。

被布は着せやすく動きやすいため、着崩れしにくく、小さな子どもに向いています。

四つ身は本格的な着物で、帯を結ぶため見た目の華やかさが増しますが、着付けの負担も大きくなります。

衣装選びでは、気温と撮影・参拝の場所も考慮しましょう。

たとえば夏の前撮りでは、暑さ対策として通気性のよい素材や軽装のプランを選ぶのが賢明です。

秋や冬であれば、防寒用のショールや肌着を準備し、重ね着でも動きやすい衣装を意識するとよいでしょう。

衣装下準備(肩上げ・腰上げ・半衿など)とレンタルとの併用

自前の着物を使用する場合は、着付け前の下準備が重要です。

特に「肩上げ」「腰上げ」は成長に合わせたサイズ調整の工程で、身長に合わせて正しい位置に縫い直す必要があります。

初心者には難しい作業ですが、着付け師や呉服店に依頼することで安心して進められます。

また、半衿の縫いつけも忘れてはならないポイントです。

市販の両面テープでつける方法もありますが、洗濯や使用頻度を考慮すれば縫い付けてしまったほうが安定します。

加藤咲季さんは動画内で「洗える襦袢+洗える半衿を最初から縫っておく」といった実用的な工夫を紹介しています(※)

一方で、手間を省きたい場合は、フルセットのレンタルを利用するのも有効です。

レンタルなら補正済みの着物が届き、着付けやヘアメイクもセットになっていることが多いため、初めての七五三でも安心して準備が進められます。

※参考動画:テープで貼ってはいけない半衿3選

親の衣装選択:和装か洋装か、コーディネートの基本

親の衣装は、子どもの着物との格や色味のバランスを考慮して決めるのが基本です。

母親が和装を選ぶ場合は、訪問着や色無地が定番。

帯や小物で季節感を取り入れつつ、主役である子どもを引き立てる控えめな色味が好まれます。

一方で、洋装でも問題はありません。

ワンピースやセットアップなど、上品かつ落ち着いた服装であれば十分対応可能です。

父親の場合は、フォーマルなスーツが一般的で、ネクタイやポケットチーフの色味を家族全体と合わせると統一感が出ます。

和装を選ぶ場合は、履物やバッグの準備も必要になります。

加藤咲季さんは、着物での移動時に適したバッグのサイズ感や、草履選びのポイントも丁寧に解説しています(※)。

当日の使い勝手も踏まえた衣装選びが、七五三を快適に過ごす鍵となります。

※参考動画:着物でのお出かけに必要なものとは?

前撮りと別日参りを組み合わせる戦略

七五三は本来、11月15日を中心に行われる行事ですが、現在では撮影と参拝を別日に分ける家庭が増えています。

理由は、混雑回避や体調管理、スケジュールの柔軟性にあります。

特に小さな子どもにとっては、撮影・参拝・食事会を1日でこなすのは大きな負担になるため、日程を分けることで家族全体の余裕が生まれます。

ここでは、前撮りのおすすめ時期とその注意点、別日参りの進め方、そして後撮りを含む柔軟な選択肢について解説します。

前撮りをいつにするか:季節別メリットと注意点

前撮りは、春〜夏にかけて行う家庭が多く、背景に季節の彩りを取り入れやすい点が魅力です。

桜の咲く春や、新緑の初夏は、明るく自然な写真を残しやすく、天候も比較的安定しています。

また、秋の繁忙期を避けることで、撮影スタジオの予約競争を回避できる利点もあります。

ただし、夏場の撮影は注意が必要です。

中でもポリエステル素材の着物は通気性が悪く、熱がこもりやすいため、撮影中の体調管理が重要になります。

撮影は涼しい時間帯を選び、必要に応じて休憩を挟むなど工夫が求められます。

別日参りプランの立て方・スケジュール配慮

前撮りとは別に、神社参拝の日程を後から設けることで、当日の天候や混雑の影響を避けることができます。

特に、10月後半から11月上旬にかけては混雑が激しくなるため、9月中の参拝や11月下旬〜12月初旬の「後ろ倒し」参拝を選ぶ家庭もあります。

参拝日は、子どもの体調や家族の都合を最優先にしつつ、できるだけ平日や時間帯を工夫して予約しましょう。

神社によっては、混雑を避けるために「事前祈祷予約」が必須となっている場合もあります。

撮影と参拝の間が空く場合は、衣装や履物の再確認、必要があれば再クリーニングなど、衣装状態の維持にも注意が必要です。

時期外れや後撮りを選ぶケースと注意点

どうしても秋のスケジュールが合わない場合は、後撮りや冬以降の参拝も選択肢として考えられます。

特に12月〜2月はスタジオや神社が空いており、落ち着いて記念日を過ごすことができます。

費用面でも、繁忙期を避けた撮影プランや祈祷プランの割引が期待できるケースもあります。

ただし、冬季は防寒対策が欠かせません。

和装は意外と寒さを感じやすく、風の強い日は体温を奪われやすいため、羽織やインナーの準備が重要になります。

静かな環境で思い出を残したい方には、時期外れの七五三もおすすめです。

天候・混雑・子どもの体調を見越した対策と段取り

七五三の当日は、慣れない衣装に長時間の移動、撮影や祈祷などが重なり、子どもにとって負担の大きな一日になります。

加えて、秋は天候の変化も激しく、混雑するシーズンと重なるため、事前の備えと柔軟な対応力が問われます。

ここでは、天気の急変や予約トラブル、子どもの体調不良といったリスクにどう備えるべきか、事前にできる準備と当日の工夫を紹介します。

天候リスク対策(予備日確保・屋内撮影対応など)

七五三のメインシーズンである秋は、晴れる日が多い一方で、台風や突然の雨に見舞われることもあります。

特に屋外でのロケーション撮影や神社参拝を予定している場合、天候による影響は大きな懸念材料です。

そのため、撮影日や参拝日には予備日を設定しておくと安心です。

また、スタジオ撮影を選ぶ際は、天候に左右されない屋内プランの有無を確認し、必要に応じて屋外・屋内を使い分けられるようにしておきましょう。

着物が濡れた場合の対処としては、ポリエステル素材の着物が便利です。

加藤咲季さんは、雨天時の着物対策として「撥水加工済みの素材」や「雨コート」の活用を勧めています。

雨傘の大きさや履物の滑りやすさにも注意が必要です。

混雑回避策・時間帯選び・予約調整

11月15日前後の週末は、多くの家族が神社を訪れるため、予約枠が埋まりやすく、祈祷や撮影の待ち時間も長くなりがちです。

混雑を避けたい場合は、平日や早朝の時間帯を狙うのが効果的です。

神社によっては、事前に時間帯ごとの混雑予測を出しているところもあるため、公式サイトで事前確認しておくと安心です。

また、写真スタジオでは、混雑緩和のために「時差予約」や「撮影時間帯の分散」を行っている場合もあります。

小さな子どもが飽きずに過ごせるよう、撮影順や所要時間も事前に把握しておくとスムーズです。

さらに、加藤咲季さんは「当日バタバタしないためには、撮影前日までに小物や衣装を一式揃えておき、当日忘れ物がないようリスト化しておくと安心」と話しています

事前の段取りが、当日の混乱を大きく減らします。

子どもの負担を減らす段取り(休憩・着替え・予備品)

七五三は、子どもにとって長時間にわたる非日常の体験になります。

着付けに時間がかかり、動きにくい着物を着て、慣れない環境での撮影や参拝を行うため、疲れやぐずりが出ることも避けられません。

そのため、当日はこまめに休憩を取りながら進行するのが理想です。

撮影前に軽食をとらせたり、途中で靴に履き替えて移動したりといった柔軟な対応も視野に入れておきましょう。

また、衣装の着崩れや汚れに備えて、予備のタオルや安全ピン、ガーゼ、ティッシュなどを用意しておくと安心です。

特に幼児は草履に慣れておらず、途中で履き替えることも多いため、スニーカーなどの動きやすい靴を併せて持っておくと役立ちます。

あらかじめ気温や滞在時間を想定し、無理のないスケジュールを組んでおくことが何より大切です。

まとめ

七五三の準備は、「秋にまとめてやるもの」と思いがちですが、実際には春から始めることで、家族にとって無理のないスケジュールが組めるようになります。

前撮りと別日参りを組み合わせたり、衣装をレンタルと自前で使い分けたりと、柔軟な工夫がしやすくなるからです。

着物の準備においても、肩上げや半衿付けなど、細かい下準備を早めに進めておくことで、当日の着付けや移動もスムーズになります。

また、加藤咲季さんが紹介しているような、子どもの負担を減らすアイデアや、天候・混雑対策のノウハウを参考にすれば、不安の多い当日も安心して迎えられるはずです。

家族みんなが笑顔で過ごせる一日になるよう、早めの計画と、ゆとりある選択肢を取り入れて、七五三の思い出をより豊かにしていきましょう。

加藤咲季
監修:加藤咲季
着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。

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