着物選びで迷わない!カラーとサイズを同時に考えるコツ ― 特別な日に失敗しない和装選び

「せっかく着物を選ぶなら、色もサイズも両方ぴったりにしたい!」

成人式や結婚式、記念撮影など“特別な日”に着物を着るとき、誰もが「似合う色で映えたい」「でもサイズが合っていないときまらない…」と悩むものです。

色だけにこだわると顔映りは良くても動きにくく、サイズだけを重視すると全体の印象がぼやけてしまうこともあります。

この記事でわかることは以下の3点です。

  • 自分に似合う色を見つけるためのポイントと着物ならではの色選びの工夫
  • 体型や身長に合わせたサイズ選びと、多少の違いを補う補正テクニック
  • 色とサイズを同時に考えるときの優先順位と、特別な日に映える組み合わせ方

これらを押さえれば、成人式・結婚式の参列・観光でのレンタル・記念写真など、どんな場面でも「似合うのに着心地も良い」着物を選ぶことができます。

さらに、加藤咲季さんの動画も参考にしながら、失敗しない選び方を一緒に見ていきましょう。

色で選ぶ着物:パーソナルカラーと肌に映える色

着物選びで最初に考えたいのは「色」です。

洋服以上に顔周りを大きく覆うため、似合う色を選ぶかどうかで印象が大きく変わります。

合わない色を選んでしまうと顔がくすんで見えたり、老けた雰囲気になったりすることもある一方、相性の良い色なら肌が明るく見え、自信を持って振る舞えます。

ここではパーソナルカラーを軸に、着物特有の色選びのコツを詳しく見ていきましょう。

パーソナルカラー4タイプと着物で使える色

パーソナルカラーは「春・夏・秋・冬」の4タイプに分けられます。

着物でもこの分類は大いに役立ちます。

たとえば春タイプなら黄みのある明るいピンクやコーラルが、夏タイプなら涼やかな水色やラベンダーが調和します。

秋タイプは深みのある橙やオリーブが似合い、冬タイプは藍や真紅などコントラストの強い色が映えます。

洋服と異なる点は、着物は面積が大きいため、色の主張が強く出ることです。

そのため「顔周りはパーソナルカラーに沿った色」「裾や柄には少し冒険した色」を組み合わせると、全体に奥行きが生まれます。

加藤咲季さんは、淡い色を中心に数色を揃えると着回しが効くと解説しています(※)。

これは着物のベースカラー選びにも通じる考え方です。

※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?

明度・彩度・暖色/寒色で調整するコツ

同じ「赤」でも、鮮やかな朱赤と落ち着いたえんじ色では印象がまったく異なります。

着物の場合、明度(明るさ)と彩度(鮮やかさ)を調整することで、顔映りをコントロールできます。

明度が高い色は若々しさを引き出し、彩度の低い落ち着いた色は品格を演出します。

また、暖色系(赤・橙)は柔らかく親しみやすい印象を、寒色系(青・紫)はすっきりとした知的な印象を与えます。

特に写真撮影では、周囲の照明や背景に埋もれないためにも、この色相バランスを意識することが大切です。

加藤咲季さんも「薄い色は着回しやすく、濃い色はアクセントになる」と紹介しており、これは帯揚げだけでなく着物の地色選びにも応用できます(※)。

※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?

写真映えを意識した色選びと帯・小物の色使い

特別な日に着物を選ぶなら「写真にどう写るか」も外せません。

淡い色は光を反射して顔色を明るく見せますが、背景と同化してしまうことがあります。

逆に濃い色は存在感を強めますが、全体が重くなりがちです。

このため「地色は淡め」「帯や帯揚げなどの小物に濃色を差し色」とするのがバランス良い組み合わせです。

また、白・黒・グレーなど無彩色の小物を組み合わせると、全体が引き締まり、写真映えが一層高まります。

加藤咲季さんも「グレーや生成りは万能色」と語っており、この発想を小物合わせに取り入れると、主役である着物の色が際立ちます(※)。

※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?

サイズで選ぶ着物:寸法と体型別補正術

着物は洋服と違い、S・M・Lといった規格サイズがなく、体型や身長に合わせた寸法で仕立てられます。

サイズが合っていないと裾が長すぎて歩きづらかったり、袖丈が短く見えて不格好になったりする原因になります。

しかし、多少のズレなら着付けや補正で調整可能です。

ここでは、着物の基本寸法の考え方と体型別の工夫、さらに少し合わない場合の対処法を紹介します。

着物の基本寸法(身丈/裄丈/前巾・後巾)と許容範囲

着物の寸法で特に重要なのは「身丈」「裄丈」「前巾・後巾」です。

  • 身丈:身長とほぼ同じ長さが目安です。裾を折り上げる「おはしょり」で調整できるため、多少長めでも着付けで対応可能です。
  • 裄丈:首の付け根から手首までの長さを測ります。短すぎると腕が突き出て見え、不格好に映りますが、±3cm程度であれば着付けの工夫でカバーできます。
  • 前巾・後巾:体の幅に合っていないと、裾合わせや帯下のバランスが崩れます。特にふくよかな方は前巾が狭すぎると合わせが不足し、着崩れの原因となります。

このように、基本の寸法を理解しておくと、自分に合った着物を選ぶ際の判断がしやすくなります。

多少の誤差は工夫で整えられるため、必要以上に神経質にならず、全体のバランスを優先して考えることが大切です。

体型別おすすめ寸法と補正テクニック

身長や体型によって似合う寸法は変わります。

  • 背が高い人:裄丈が短く見えやすいため、可能であれば長めの仕立てを選ぶと安心です。補正では、腰回りにタオルを入れて全体のバランスを整えるとすらりとした印象に。
  • 背が低い人:身丈が長すぎるとおはしょり部分がもたつきます。腰紐を高めに結び、余分なおはしょりを整えるとすっきり見えます。
  • ふくよかな人:前巾・後巾が狭いと合わせがずれてしまうため、少し広めの寸法が安心です。濃いめの地色や縦の流れを意識した柄で引き締めるとバランスが良くなります。
  • 痩せ型の人:補正で腰回りをふっくらさせると着物の直線がきれいに出ます。明るめの色や横に広がる柄を取り入れると華やかさが増します。

体型に応じた寸法と補正を意識すると、同じ着物でも着姿がぐっと美しく整います。

無理に体型を隠すのではなく、それぞれの特徴を生かしながら補正を加えることが、着物をより魅力的に見せるコツです。

サイズが少し合わない場合の工夫と注意点

リサイクル着物やレンタルでは、自分の体型に完全に合う寸法を見つけるのは難しいものです。

その場合は着付けでの工夫が鍵となります。

  • 裄丈が短い場合:襟を少し抜き気味に着ると袖口が長く見えます。
  • 裄丈が長い場合:襟を詰め気味にし、袖口の余りを肩に寄せて調整します。
  • 身丈が長い場合:おはしょりを腰紐で丁寧に折り畳み、もたつきを避けることが大切です。
  • 身丈が短い場合:対丈風(おはしょりを作らない着方)で着付ける方法もありますが、フォーマルでは避けた方が無難です。

加藤咲季さんも動画【着方だけで裄を長くする方法】で「工夫次第で3cm程度は裄を長く見せられる」と紹介しており、多少の寸法差なら着付け技術で十分対応できます。

カラーとサイズを“同時に”選ぶときの優先順とバランス

着物を選ぶとき、多くの人が「色を重視すべきか」「サイズを重視すべきか」で迷います。

顔映りを良くする色を優先したい一方で、動きやすさや美しい着姿を保つためにはサイズ感も欠かせません。

両方を完璧に満たすことが理想ですが、現実的には少しの妥協が必要になる場合もあります。

ここでは、色とサイズを同時に考える際の優先順位と、実際にバランスをとる方法を解説します。

優先すべきは「崩れないフィット感」か「似合う色」か

着物は「着付けによって整える」要素が大きいため、多少の色の妥協よりも、まずは動きやすく着崩れしにくいサイズを優先するのがおすすめです。

身丈や裄丈が大きくずれると、歩行時に裾を踏んだり、袖が突き出て見えたりして不格好になります。

ただし、サイズが合えばどんな色でもよいわけではありません。

顔周りに近い部分には、自分のパーソナルカラーに合う色を取り入れることが重要です。

たとえば地色は落ち着いた色でも、半衿や帯揚げに似合う色を差し込めば、顔映りを改善できます。

加藤咲季さんも「淡い色を顔周りに持ってくると印象が明るくなる」と解説しており、これは色とサイズの優先順位を調整する際の実践的ヒントになります(※)。

※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?

色選びの自由度が高いサイズ選択術

たとえば裄丈がぴったりであれば、袖口からインナーが覗く心配がなく、鮮やかな色や大柄の模様でも安心して取り入れられます。

逆に裄が短いと、全体のバランスが崩れやすく、落ち着いた色を選ばないと小ささが強調されてしまいます。

このように、寸法が安定していれば濃い色から淡い色まで幅広く挑戦でき、色の選択肢を狭めることなく自分らしいコーディネートを楽しめます。

サイズの安定感が、色選びの自由度を支える基盤となるのです。

実例比較:選択の優先を変えたときの見え方違い

実際に「色優先」と「サイズ優先」で選んだ場合の違いを比べてみましょう。

  • 色優先でサイズが合わない場合:顔映りは明るくなりますが、裄丈が短ければ腕が出すぎて落ち着かず、裾が長すぎれば動きにくさが目立ちます。記念写真では良くても、実際に動く場面では不便です。
  • サイズ優先で色を少し妥協した場合:多少顔映りが地味になっても、動きやすく、着崩れにくいため安心感があります。この場合は小物で色を補えば、全体のバランスを取り戻せます。

加藤咲季さんも動画【背中の紐が見えてしまうときの対処法】でも、体型に合わない寸法だと着崩れが目立つと解説しています。

これは「まずサイズ感を整えることが全体の安定につながる」ことを裏付けています。

色は後から小物や帯で調整できるため、優先順位のつけ方を誤らないことが大切です。

TPOに合わせた色・柄・サイズの組み立て

着物は「どんな場面で着るか」によってふさわしい色・柄・サイズ感が変わります。

成人式、結婚式参列、観光や記念撮影など、同じ着物でも場面が違えば「浮いてしまう」こともあります。

失敗を避けるには、TPOを意識した選び方が欠かせません。

ここでは特別なシーンごとに、色・柄・サイズをどう組み合わせればよいかを具体的に見ていきましょう。

成人式・披露宴・フォーマルの色と格

成人式は振袖が基本で、華やかさが重視されます。

地色には赤・青・緑など鮮やかな色がよく選ばれ、大きめで大胆な柄が映えるのも特徴です。

袖丈が長くても、仕立てや着付けの工夫によって動きやすさを損なわないように整えることが大切です。

結婚式の参列では、未婚女性は振袖、既婚女性は訪問着や留袖を選ぶのが一般的です。

留袖や訪問着は格の高い装いで、黒や紺など落ち着いた色をベースに、裾部分に華やかな柄が入ります。

派手すぎず、落ち着いたサイズ感に整えることで、場にふさわしい品格が際立ちます。

写真・記念撮影向けの選び方

写真撮影では「その場でどう見えるか」以上に「写真にどう写るか」が重要です。

淡い色は光を反射し顔を明るく見せますが、背景と同化しやすいため、帯や小物に濃色を取り入れるとバランスが取れます。

逆に濃い色の着物は存在感が強く、写真でも引き締まった印象になります。

ただし、全身が暗くならないよう、半衿や帯揚げに明るい色を差し込むと映えます。

加藤咲季さんは「淡色と濃色を組み合わせることで全体が引き締まる」と紹介しており、この考え方は写真映えの着物選びにも応用できます(※)。

※参考動画:帯揚げの使える色、使えない色とは?

レンタル着物で失敗しないチェックポイント

観光や記念撮影で多いのがレンタル着物です。

色柄に惹かれて選んだものの、サイズが合わず歩きづらい、袖丈が短くて落ち着かない、という失敗は少なくありません。

選ぶ際は以下をチェックしましょう。

  • 裄丈が自分の腕に合っているか(±3cm以内が理想)
  • 身丈が短すぎず、十分におはしょりが作れるか
  • 前巾・後巾が体型に合っているか(裾合わせが乱れないか)
  • 帯・小物の色で自分のパーソナルカラーを補えるか

加藤咲季さんは動画【着方だけで裄を長くする方法】で、寸法が完全に合わなくても着方で工夫できると解説しています。

レンタルでは完璧なサイズを求めすぎず、工夫して「似合う色」と「動きやすさ」の両方を得ることが大切です。

まとめ

着物選びで大切なのは「色」と「サイズ」を切り離して考えるのではなく、順序立てて同時に意識することです。

まずは動きやすさや着崩れ防止のために、身丈・裄丈・前巾といった寸法を大きく外さないことが第一です。

そのうえで、自分のパーソナルカラーやTPOに合う色を選び、小物で顔映りを補正すれば理想的な仕上がりになります。

特別な日こそ「似合うのに着心地が良い」着物を選びたいものです。

加藤咲季さんの動画でも紹介されているように、多少の寸法差は工夫で調整できます。

また、小物で色のバランスを整えることも可能です。

「サイズを整える」「色で映える」「TPOを守る」——この3つを流れとして押さえることで、成人式・結婚式・観光・記念撮影のどんな場面でも、自信を持って着物を楽しむことができます。

加藤咲季
監修:加藤咲季
着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。

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