「お茶会に着物で参加するけれど、どんな格式の着物を選べばいいの?」
そんな迷いを感じていませんか?
この記事では、茶会の種類ごとにふさわしい着物の格や袖丈の選び方、帯や小物の合わせ方まで詳しく解説します。
たとえば――
- 初釜や大寄せなど、茶会の種類によって着物の格はどう変わるのか
- 既婚・未婚で袖丈の選び方は違うのか
- 帯や小物はどんな格を合わせれば良いのか
こうした疑問を一つひとつ整理して、安心してお茶会に臨める装いのポイントをお伝えします。
結論から言うと、茶会の性格に合った着物の格と袖丈を意識すれば大きな失敗は防げます。
さらに、加藤咲季さんの動画で紹介している着付けの細かいコツも解説していますので、あわせて確認すると一層安心です。
Contents
お茶会の種類と求められる着物の格式

お茶会と一口にいっても、初釜や炉開きといった格式高いものから、地域の茶道サークルが開く大寄せ茶会まで、幅広い場があります。
それぞれに求められる着物の格も異なるため、まずはお茶会の種類を理解することが安心につながります。
一般的には、**正式な場ほど格の高い着物(訪問着・色無地・附下など)**を選び、気軽な場ではややカジュアルな小紋や紬も許されることがあります。
ただし「主催者の意図に合わせる」ことが最も大切です。
茶道の世界は「場を乱さない配慮」が重んじられるため、場違いな華美さや逆に砕けすぎた装いは避けるべきです。
初釜・炉開きなど正式なお茶会にふさわしい着物
初釜や炉開きは新年や節目を祝う大切な茶事です。
ここでは訪問着や附下、色無地に格の高い袋帯を合わせるのが基本。
柄行きは落ち着きがありつつ華やぎを感じさせるものを選ぶと、格調の中に品が生まれます。
既婚女性なら訪問着や色無地を上品にまとめるのが安心です。
未婚女性の場合、振袖は華やかですが格式を重んじる場では避ける方が無難とされます。
帯や小物も淡い色で揃え、全体の調和を意識しましょう。
加藤咲季さんも、「場にふさわしいものを選ぶ意識が重要」と解説しています(※)。
着物だけでなく小物まで含めた全体の格調を揃えることが信頼につながります。
※参考動画:着物の時の履物について語ります
大寄せ・気軽な茶会で選ばれる着物
大寄せ茶会は、地域や流派を問わず多くの人が参加する開かれたお茶会です。
格式は保ちつつも、必ずしも最高位の礼装を求められるわけではありません。
ここでは小紋や江戸小紋、紬に名古屋帯といった装いも許容されます。
柄は落ち着いた色合いで、派手すぎないものを選ぶのが好印象です。
特に初めて参加する人は「少し控えめ」を意識することで安心感が得られます。
加藤咲季さんの動画【第五弾「化繊」着物に使われる素材】でも、気軽なお出かけには扱いやすい素材の着物が便利だと紹介しています。
大寄せ茶会のようにカジュアルな場では、絹以外の素材を取り入れても問題ありません。
堅苦しくなりすぎず、清潔感と上品さを大切にすれば十分にふさわしい装いとなります。
袖丈の決まりと年齢・立場による違い

袖丈は、着物の印象を左右する大切な要素です。
特にお茶会では、動きやすさと品格の両立が求められます。
袖丈の扱いは、既婚・未婚といった立場や年齢によって選び方が異なるため、参加者としての立場を意識して選ぶことが大切です。
袖丈を誤ると華美すぎたり逆に略式に見えたりするため、「お茶会の場にふさわしい長さ」に調整することが安心感につながります。
既婚女性に適した袖丈と注意点
既婚女性の基本は、袖丈49cm前後の「訪問着・色無地」が中心です。
この長さは「留袖」と同じく、既婚女性らしい落ち着きと上品さを表現します。
袖丈が長すぎると華やかさが強調されてしまい、場にそぐわない印象を与える恐れがあります。
加藤咲季さんの動画【着方だけで裄を長くする方法】では、着方次第で袖の見え方を変える工夫が解説されており、「身体に合わせた調整」で美しく見せることの重要性が語られています。
お茶会でも同じく、過不足ない袖丈を意識し、立ち居振る舞いがすっきりと映える長さを選びましょう。
未婚女性や若い世代の袖丈の選び方
未婚女性の場合、振袖を着る機会が多いですが、正式な茶会では避けるのが基本です。
袖が長すぎると動作の妨げになるだけでなく、場にそぐわない華美さを感じさせるからです。
お茶会では中振袖を訪問着風に仕立て直したものや、やや長めの袖丈の色無地・附下が適しています。
若い世代らしい華やかさを残しつつ、控えめな装いにまとめることができます。
加藤咲季さんの動画【背中の紐が見えてしまうときの対処法】でも、動作による着姿の乱れを防ぐ工夫が紹介されており、袖丈が過度に長いと着崩れの原因になりやすいことがわかります。
若い方は「華やかさよりも場の調和」を優先する意識が大切です。
帯と小物の格合わせ

お茶会の着物姿を完成させるのは、帯と小物の組み合わせです。
着物本体の格を守っていても、帯や小物の選び方を誤ると全体の印象が崩れてしまいます。
特に茶席では「控えめで清らかに」という美意識が大切にされるため、帯や小物は着物の格と釣り合いを取りつつ、華美になりすぎない選択が安心です。
ここでは、帯の種類の選び分けと小物の格式感について整理していきます。
袋帯・名古屋帯の使い分け
正式なお茶会(初釜・炉開きなど)では、格の高い袋帯が基本です。
金銀糸が入った古典柄や上品な織柄の袋帯は、訪問着や色無地と相性が良く、品格を引き立てます。
一方、大寄せや気軽な茶会では、名古屋帯を選んでも十分です。
名古屋帯なら柄の少ない落ち着いたものを選ぶと、茶席にふさわしい控えめさが出ます。
加藤咲季さんの動画【帯揚げを綺麗にするポイントを超詳しく解説します】でも、帯周りをすっきり見せる工夫が紹介されており、「帯の格と着物の格を揃えること」が大切だとわかります。
帯は主役ではなく、全体の調和を整える存在として考えると失敗しません。
帯揚げ・帯締めの色と格式感
帯揚げや帯締めは小物でありながら、着姿の印象を大きく左右します。
正式なお茶会では、淡い色合いの帯揚げや上品な丸組・平組の帯締めが基本です。
落ち着いた色調を選ぶことで、清楚で控えめな雰囲気が生まれます。
カジュアルな茶会では、柔らかな色合いの帯揚げやシンプルな帯締めでも十分対応可能です。
加藤咲季さんの動画【帯揚げの使える色、使えない色とは?】では、薄いピンクやグレーなど「着回し力の高い色」が紹介されており、フォーマルでもカジュアルでも使いやすいことが解説されています。
お茶会では「出しゃばらないけれど品がある色」を選ぶと、帯周りがすっきり整い、全体の印象も格調高くまとまります。
お茶会で好印象を与える着物の着こなし

お茶会は茶道のお点前をいただくだけでなく、立ち居振る舞いそのものも見られる場です。
そのため、着物の格や袖丈を正しく選ぶだけでは不十分で、着崩れしにくく清潔感を保つ工夫が求められます。
特に茶席では、派手な装いよりも「相手や場への配慮」が美しさとして評価されます。
ここでは、印象を良くする着姿の工夫と、着崩れを防ぐためのポイントを確認しましょう。
清潔感を大切にする着姿のポイント
お茶会で最も重要なのは「清潔感」です。
髪型はすっきりまとめ、襟元は半襟をきちんと出して整えることが基本。
色柄は落ち着いたトーンを選ぶことで、茶室の静謐な雰囲気に馴染みます。
履物やバッグも、光沢のある派手なものではなく、品良く控えめなものを合わせるのが安心です。
加藤咲季さんも、履物は「場に合わせて控えめで歩きやすいものを選ぶ」ことが大切だと解説されています(※)。
着物姿は全身で調和を取るもの。細部まで清らかさを意識すると、好印象につながります。
※参考動画:着物の時の履物について語ります
着崩れ防止のための工夫
お茶会では正座や立ち座りの動作が多いため、着崩れを防ぐ工夫が欠かせません。
腰ひもや伊達締めをしっかり締め、必要に応じて補正タオルを入れて体のラインを整えると、動作のたびに帯や襟元が乱れるのを防げます。
加藤咲季さんの動画【正座の仕方】では、正座時に上前がはだけない座り方が紹介されており、実際の茶席でも役立つ内容です。
また【背中の紐が見えてしまうときの対処法】では、動作で背中の紐が見えない工夫も解説されています。
お茶会では「着崩れないこと」そのものが、礼を尽くす姿勢として受け取られます。
安心して動ける着付けを意識しましょう。
まとめ
お茶会にふさわしい着物選びは、茶会の種類・立場・年齢によって変わります。
初釜や炉開きといった正式な場では、訪問着や色無地に袋帯を合わせ、袖丈も既婚女性は49cm前後、未婚女性は控えめな中振袖や訪問着を意識するのが基本です。
一方、大寄せなど気軽な茶会では、小紋や紬に名古屋帯といった装いでも問題ありません。
また、帯揚げや帯締め、小物の格合わせも重要です。淡い色や落ち着いたデザインを選び、華美に偏らない調和を心がけましょう。
さらに、正座や立ち座りで着崩れない工夫、清潔感ある着姿を意識することで、茶席での印象は格段に良くなります。
お茶会は格式を重んじる場であると同時に、「相手や場を思いやる心」が最も大切にされます。
着物の格や袖丈の知識を押さえ、細部まで整った装いで臨めば、安心して茶席を楽しむことができるでしょう。

着付師・着付講師。
一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。
美容師から転身し、24歳で教室を開講。
のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。
着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。
YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。
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