「初めての着付け、どれくらい時間がかかるの?」
そんな疑問をお持ちではありませんか?
成人式や結婚式、お宮参りや観光など、特別な日には着物で過ごしたい。
でも、「準備が大変そう」「時間が読めない」と不安を感じていませんか?
とくに初心者の場合、着物の種類や着付け方法によって所要時間が大きく異なるため、見通しを立てるのが難しいものです。
この記事では、以下のような疑問にお答えします。
- 着物の種類ごとに、着付けにかかる時間の目安はどれくらい?
- プロに頼んだ方がいい?自分で着るなら何分かかる?
- 当日スムーズに進めるために、どんな準備をしておけばいい?
さらに、着付け以外にかかる時間や、練習による所要時間短縮のコツもご紹介します。
着付けは、時間を知るだけで驚くほど安心感が増すものです。
この記事が、初めての着物体験を気持ちよくスタートするための一助になれば幸いです。
Contents
着付けにかかる時間の目安(初心者向け)
着物初心者の方にとって、「所要時間の目安」はもっとも気になるポイントです。
特にイベント当日は、ヘアメイクや移動の予定もあり、無駄な待ち時間や遅れは避けたいもの。
まずは着物の種類別に、初心者がかかるおおよその時間と、プロ着付けとの違いを整理してみましょう。
着物の種類別・所要時間早見表
着物の種類によって、着付けに必要な工程数が大きく異なります。
以下は初心者が自分で着た場合の目安時間と、プロに依頼した際の所要時間です。
着物の種類 | 初心者の目安時間 | プロ着付けの所要時間 |
浴衣 | 約20〜30分 | 約10〜15分 |
小紋・紬 | 約40〜50分 | 約20〜30分 |
訪問着 | 約60〜90分 | 約30〜40分 |
振袖(成人式) | 約90〜120分 | 約45〜60分 |
袴 | 約60分 | 約30〜40分 |
初心者の場合、「手順に迷う」「帯結びに時間がかかる」「着崩れを直す」などの理由で、実際にはプラス10〜20分の余裕を見ておくのが安心です。
加藤咲季さんは、「振袖は練習すれば40分で着れるけど、最初は1時間半みておくのが普通」と説明しています。
これは浴衣や小紋でも同様で、“慣れれば短縮できるけれど、最初は焦らず時間を取ることが成功のカギ”です。
「プロに依頼」or「自分で着る」の時間差と選び方
プロに依頼した場合の所要時間は、着物の種類やサロンによって差はありますが、おおむね30分前後。
手際よく短時間で仕上がるため、式場やイベント直前の着付けが必要な場合は、プロ依頼が圧倒的に安心です。
一方で「自分で着てみたい」「練習したい」と思う方には、所要時間の目安だけでなく、準備と段取りも重要です。
また、「プロに依頼してイベントに出つつ、普段は練習する」という併用スタイルもおすすめ。
まずは当日の失敗を避けたい方はプロに頼み、休日や時間のあるときに自分で練習していくと、無理なく両立できます。
初心者が知っておきたい!着付け時間を短縮する準備と練習法
「時間がかかる」「間に合うか不安」と感じるのは、初心者なら当然のことです。
しかし、実は着付けの所要時間は、事前の準備とちょっとしたコツで大幅に短縮可能です。
焦らず確実に着られるようになるために、まずは準備の段階から見直してみましょう。
当日までに揃えておく準備物リストと配置法
着付けをスムーズに行うためには、道具を整えておくことが最初のステップです。
準備に手間取ると、所要時間も倍以上に伸びてしまいます。
以下は、加藤咲季さんが推奨する最低限のアイテム(肌着を含む)です。
- 肌着・裾除け(ワンピース型でもOK)
- 和装ブラ/補正タオル
- 長襦袢(半衿付き)
- 腰ひも 3〜4本
- 伊達締め 2本
- 帯板・帯枕・帯揚げ・帯締め
- 着物本体
- 足袋・草履
さらに、着付けを始める前には、すべてのアイテムを「順番通りに手が届く位置」に配置しておくのが鉄則です。
加藤さんも「畳んだ着物を順に並べると手順通りに進められる」としており、道具を探す時間のロスがなくなるだけでも5〜10分短縮できます。
時短に効く練習法|制限時間を意識するメリット
練習を重ねると着付けは確実に速くなりますが、ただ回数をこなすだけでは限界があります。
「時間を測ること」こそ、時短の最大のポイントです。
加藤咲季さんも、「最初から完璧に着ようとしない。まずはタイマーをかけて“40分以内にとにかく着る”ことを目指す」ことを提案しています。
これは、“迷っても良いので1通りの流れを体に覚えさせることで、思考の迷いが減る=時間が短くなる”という狙いです。
また、途中でミスしても止まらず最後まで着切るという練習を繰り返すことで、「直す時間」「戻る時間」が自然に減っていきます。
着物の着付けは“完璧を目指すより、流れを止めない”ことが上達の近道。
最初は60分かかっても、数回の練習で20分短縮するのも難しくありません。
イベント別 :着付け~ヘアメイクまでのスケジュール例
「何時に家を出ればいいの?」「逆算すると何時に起きれば間に合う?」
イベント当日はただでさえ慌ただしく、着付けにどれだけ時間がかかるかが読めないと不安になるものです。
着物を着るイベントには、フォーマルな式典からカジュアルな観光まで幅広くあります。
ここでは、シーンごとの一般的なスケジュールと、時間配分の目安を具体的にご紹介します。
成人式・結婚式などフォーマルイベントの流れと時間配分
成人式や親族の結婚式といった正装の場では、着物の準備だけでなくヘアセット・メイク・移動時間も含めたトータル計画が重要になります。
例:成人式当日の一般的スケジュール(プロ依頼の場合)
項目 | 所要時間の目安 | 内容例 |
着付け | 約40〜60分 | 振袖、帯結びが華やかで時間がかかる |
ヘアメイク | 約60〜90分 | 美容室で事前予約が多い |
写真撮影 | 約20〜30分 | 式前に家族写真などを撮ることもある |
式典・移動準備 | 約30分 | 集合場所までの移動・整え直し含む |
合計:約2.5〜3時間前には起床・準備開始が理想
式が午前10時開始なら、6時半〜7時のスタートが安心ラインです。
観光・浴衣デートなどカジュアルな予定向け段取り術
一方、浴衣や小紋で出かける観光や街歩きでは、そこまで長い準備時間は必要ありません。
ただし、暑さ対策・着崩れ対策を含めた簡単な準備は必須です。
例:浴衣での夏祭りデート・観光プラン(自分で着る場合)
項目 | 所要時間の目安 | 内容例 |
着付け | 約30分 | 浴衣+半幅帯は工程が少なく簡単 |
ヘアセット | 約20分 | 自宅でまとめ髪 or 美容院で事前予約 |
外出準備 | 約10分 | 帯締め直し・持ち物確認など |
合計:1時間〜1時間半前スタートでOK
また、汗で着崩れないためのインナーや補正」も重要ポイントです。
詳しくは加藤咲季さんの動画、【肌着・補正の選び方】で紹介しています。
プロ着付けサービスを上手に選ぶポイント
「自分で着るのはまだ不安」「大事なイベントだから絶対に失敗したくない」
そんなとき頼りになるのが、プロによる着付けサービスです。
ただし、サロンによって料金や時間、サービス内容にかなり差があるため、事前の比較と予約がとても重要です。
特に成人式や卒業式シーズンは混雑が予想されるため、1ヶ月以上前の予約が必須になることもあります。
ここでは、プロ着付けを賢く使いこなすためのポイントをご紹介します。
所要時間と料金の相場比較
プロに着付けを依頼する際、かかる時間は着物の種類によって異なります。
以下は都内サロンを中心とした相場の一例です。
着物の種類 | 着付け料金の目安 | 所要時間の目安 |
浴衣 | 3,000〜5,000円 | 約15〜20分 |
小紋・紬 | 5,000〜7,000円 | 約20〜30分 |
訪問着 | 6,000〜9,000円 | 約30〜40分 |
振袖 | 10,000円~15,000円 | 約45〜60分 |
袴 | 6,000〜8,000円 | 約30〜40分 |
また、ヘアセットを同時に予約する場合は+4,000円〜6,000円程度が追加されるのが一般的です。
混雑期・予約タイミング・ヘアセット併用の注意点
繁忙期(成人式・卒業式・七五三など)は予約枠が早く埋まります。
特に午前の早い時間帯は人気が高く、1〜2ヶ月前からの予約が推奨されます。
注意点としては以下の3点が挙げられます。
- 「着付け+ヘアセット」パックの有無を確認
別々に予約すると、移動や時間調整で負担が増えがちです。 - 持ち物チェックリストの提示があるか
サロンによって「肌着」「帯板」「足袋」が持参必要な場合があります - 着崩れ直しの対応があるかを事前確認
万一のトラブルに備え、サロンの近くで支度するか、簡単な補正グッズ(クリップ・腰ひも)を持っておくと安心です。
プロサービスは高額に感じるかもしれませんが、時間の節約・美しい仕上がり・安心感という大きなメリットがあります。
特に時間が限られたイベント当日には、「お願いして正解だった」と感じる方がほとんどです。
まとめ
着付けにかかる時間は、着物の種類や自分で着るかどうかによって大きく異なります。
初心者が自分で着る場合は、浴衣で約30分、振袖では90分以上を目安に、余裕を持ってスケジュールを立てましょう。
一方、プロに依頼すれば所要時間は半分程度に短縮されるため、大切なイベントや不慣れな方には特におすすめです。
ただし、予約のタイミングや持ち物の準備には注意が必要です。
また、普段から道具を整え、流れを意識した練習を重ねることで、所要時間は着実に短縮できます。
大切なのは、「時間がかかるから無理」と諦めるのではなく、どんな方法であれ“着物を着る楽しさ”を体感すること。
プロの力を借りつつ、少しずつ自分でも挑戦してみることで、より自由で心地よい着物生活が広がっていきます。
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