結婚式に着物で参列したいあなたへ|ドレスコード別のマナーと選び方完全ガイド

「結婚式に着物で行きたいけれど、浮いたら恥ずかしいし、マナーも不安…」

そんなふうに感じていませんか?

洋装のゲストが多いなか、和装で出席するとなると、格式やTPOが合っているかどうか、周囲の目も気になるものです。

特に、着物に慣れていない人ほど「どんな着物を選べばいいの?」「ドレスコードに合ってる?」と悩むのは当然です。

この記事では、以下のようなポイントについて詳しく解説していきます。

  • 結婚式のドレスコードに合う「着物の格」とは?
  • 自分の立場や年齢にふさわしい着物の種類
  • 色柄や帯・小物など、失敗しない和装マナー

 
さらに、着物初心者でも安心して準備できる「レンタルの選び方」や「おすすめの髪型」など、実用的なアドバイスもご紹介します。

和装は、選び方さえ間違えなければとても上品で華やか。

この記事を読み終える頃には、「着物でも大丈夫」と自信を持って結婚式に臨めるはずです。

それではさっそく、結婚式のドレスコードに合わせた着物選びの基本から見ていきましょう。

ドレスコード別|着物の格と種類

結婚式では、会場の雰囲気や新郎新婦との関係性に応じて、ゲストもTPOをわきまえた装いが求められます。

着物には「格」があり、それによってフォーマル・セミフォーマル・カジュアルといった位置づけが明確に分かれています。

洋装でいうドレスコードと同じように、場の格式に応じた着物を選ぶことが大切です。

特に和装の場合、「とりあえず綺麗な着物を選べばOK」というわけではなく、柄や仕立て、小物づかいにいたるまで、格の整合性が求められます。

ここでは、結婚式の場にふさわしい着物を、ドレスコード別にわかりやすくご紹介していきます。

フォーマル(正礼装)とは

フォーマルに該当するのは、主に親族や主賓など、式の中でも立場の重いゲストです。

この格では以下のような着物が用いられます。

  • 黒留袖(既婚の親族向け)
  • 色留袖(既婚・未婚問わずフォーマル向け)
  • 振袖(未婚女性の第一礼装)
  • 訪問着(柄付きでやや格高め、ゲスト全般OK)

 
特に振袖は、未婚女性の正礼装として格式が高く、華やかさも抜群です。

成人式で着た振袖を再利用する方も多く、レンタルでも人気があります。

一方で黒留袖や色留袖は「主催側」のイメージが強いため、友人ゲストとしての着用は控えるのがベター。

ゲストなら、訪問着が最も汎用性が高く安心できる選択です。

この部分は、加藤咲季さんの動画【着物でのお出かけに必要なものとは?】でも、訪問着に合わせるバッグや所持品について解説していますので、当日の準備の参考にもなります。

セミフォーマル・インフォーマルの場合の選び方

セミフォーマルやインフォーマルの式(レストランウェディング、1.5次会、カジュアルなガーデン挙式など)では、やや軽めの着物が適しています。

  • 色無地(紋付きならフォーマル感アップ)
  • 付け下げ(訪問着に近く、控えめな印象)
  • 小紋(柄の格に注意すれば可)

 
このような場面では、「派手すぎない」「新婦より目立たない」「柔らかい色合いで季節感を出す」ことが大切です。

カジュアルに寄せすぎない、でも堅苦しすぎない。そんなバランスが求められるのがセミフォーマル/インフォーマルな場です。

年齢・立場別|ゲストにふさわしい着物選び

結婚式における着物の選び方は、「どんな式場か」だけでなく、「自分がどういう立場か」によっても変わります。

たとえば未婚か既婚か、20代か30代以上か、また親族か友人かなどの違いで、ふさわしい着物の格や柄が異なります。

ここでは、読者に最も身近な「友人・同僚としてゲスト参加する女性」に向けて、年齢やライフステージ別におすすめの着物をご紹介します。

自分に合った選び方が分かれば、安心して和装を楽しむことができます。

未婚・20代なら振袖か訪問着

20代前半で未婚の方には「振袖」が最も格式の高い正礼装になります。

成人式で着た振袖を持っている方は、そのまま結婚式用に活用するのも良い選択です。

ただし、新婦よりも派手にならないように、色柄や小物づかいで落ち着いた印象に調整することが必要です。

特に白系・金銀・桜柄などは、花嫁の装いに重なる恐れがあるため避けましょう。

「振袖はちょっと目立ちすぎて不安…」という場合は、訪問着もおすすめです。

訪問着なら年齢を問わず着用でき、既婚・未婚を問わない点で汎用性が高く、品格もあります。

裾模様や柔らかい地色のものを選べば、20代でも十分華やかにまとまります。

既婚・30代以降なら訪問着~色無地

既婚者や30代以上の女性の場合、「落ち着き」「上品さ」がキーワードになります。

振袖は基本的に未婚女性の礼装なので、既婚のゲストには訪問着か色無地が適しています。

  • 訪問着:華やかで式典向き。肩から裾にかけて連続模様が入っており、フォーマル度が高い
  • 色無地(紋付き):無地染めで控えめながらも品格があり、落ち着いた印象に

 
「色無地だと地味すぎるのでは?」と感じる方もいますが、帯や小物の合わせ方で印象はぐっと変わります。

帯に光沢のあるものを使ったり、季節感のある帯揚げを加えることで、格式を保ちつつ華やかさを演出できます。

色柄・小物・帯結び|絶対に外さない注意ポイント

和装で結婚式に出席する際、どんな着物を選ぶかと同じくらい重要なのが、「色柄」「小物」「帯結び」の選び方です。

とくにゲストとして出席する場合は、「花嫁より目立たない」「格式にふさわしい」「写真映えする」ことが大前提です。

色や柄の選び方を間違えると、意図せずマナー違反になってしまうこともあるため、この章では和装ゲストが守るべき基本マナーと、おすすめの色柄・帯・小物の具体例をご紹介します。

避けるべき色柄と正しい選び方

まず、結婚式で避けるべき色の代表は「白一色」です。

白は花嫁の色とされており、ウエディングドレスと重なる印象を与えてしまいます。

同様に、金銀やラメが強く主張する素材も、新婦の衣装とかぶるため控えましょう。

柄についても注意が必要です。

たとえば「桜」は春らしく見える反面、「散る」イメージから慶事には避ける派もあります。

また、「蝶」や「椿」なども、宗教・世代によっては縁起を気にされることもあるため、あえて避けるのが無難です。

このように、季節感や個性をほんの少し加えるのが和装マナーとして理想的です。

帯・帯結び・小物で格を高める工夫

帯や帯結び、小物(帯揚げ・帯締め・草履・バッグなど)は、着物の印象を決定づける重要なパーツです。

式にふさわしい上品さを演出するためには、以下のような工夫が効果的です。

  • 帯は袋帯や綴れ帯など、フォーマル仕様のものを選ぶ
  • 帯結びは「二重太鼓」が基本。華やかかつ格式を保てる
  • 帯揚げ・帯締めは淡い色でまとめ、素材は正絹が理想
  • 草履は低反発タイプや花緒が太めのものを選ぶと歩きやすく、疲れにくい

 
加藤咲季さんは、草履についても「クッションが効いていて、花緒が太めのものが初心者向け」と語っています(※1)。

また、帯揚げを綺麗に見せるには「脇までしっかり畳んで、崩さず整える」のがコツであり、その詳細な手順も動画で解説されています(※2)。

参考動画
※1:着物の時の履物について語ります
※2:帯揚げを綺麗にするポイントを超詳しく解説します

着付け・準備|初心者でも安心して和装で臨む方法

「着物で結婚式に行きたいけれど、どう準備すればいいの?」という不安を持つ方は多くいます。

和装には独特の所作や装備があり、事前に押さえておくべきポイントも少なくありません。

この章では、初心者が安心して結婚式に臨めるよう、「レンタルや着付けの依頼方法」「ヘアスタイルや持ち物」など、実用的な準備のコツをご紹介します。

正しく準備すれば、初めてでも堂々と和装で参加できます。

レンタル+着付け店の選び方

着物を一から揃えるのは大変ですが、今は「着物レンタル+着付け+ヘアセット」がセットになったプランも多数あります。

特に以下のようなサービスを選ぶと安心です。

  • 結婚式向けの訪問着・振袖が豊富
  • 草履・バッグ・肌着まで全てセット
  • 当日会場近くでの着付けが可能
  • ヘアセットも和装対応

 
加藤咲季さんも動画の中で、初心者には「動きやすくて着崩れしにくい素材」「化繊の訪問着」が便利と紹介しています(※1)。

また、着付けの際に「肩をしっかり落として首を長く見せる」「背中の紐が見えないよう補正する」など、細やかな工夫も解説されています(※2)。

参考動画
※1:第五弾「化繊」着物に使われる素材
※2:背中の紐が見えてしまうときの対処法

ヘア・メイク・髪飾りのおすすめスタイル

和装に合う髪型は「うなじが見えるアップスタイル」が基本です。特に次のポイントを押さえると、より品よくまとまります。

  • 低めシニヨン、編み込みシニヨン、夜会巻きが人気
  • 飾りはつけすぎず、控えめなかんざし・花飾り程度
  • 前髪ありでもOK。清潔感があれば問題なし
  • メイクはツヤ肌+血色感を大切に

 
加藤咲季さんは「華美になりすぎない、品よく見せる和装メイク」や「髪飾りは着物の格に合わせるべき」とも語っており、レンタル着物とのトータルコーディネートの重要性が強調されています。

さらに、バッグや手荷物についても、【着物でのお出かけに必要なものとは?】で実用的なアドバイスが紹介されています。

このように、着付けから髪型、小物の選び方までを事前にイメージしておけば、当日も慌てずに行動できます。

まとめ

結婚式という特別な場に、着物で参加することは、気品と心遣いを感じさせる素敵な選択です。

ですが、和装には独自のマナーとルールがあるため、「どんな着物を選べばよいか」「どんな準備が必要か」に迷う方も多いでしょう。

この記事では、以下のポイントを丁寧に解説してきました。

  • 結婚式のドレスコード(正礼装・準礼装・略礼装)に応じた着物の格
  • 年齢や立場ごとにふさわしい着物(振袖・訪問着・色無地など)の選び方
  • 色柄・帯・小物の選び方でマナーを守りながら華やかさを出す工夫
  • 初心者でも安心して挑戦できる、レンタル・着付け・準備のポイント

 
加藤咲季さんのYouTube動画では、素材選びや補正、草履の選び方まで、初心者に寄り添った実用的なアドバイスが多数紹介されています。

それらを参考にしながら準備をすれば、たとえ初めての和装でも「自信を持って式場を歩ける自分」に出会えるはずです。

大切なのは、「格に合った選び方」と「新郎新婦を引き立てる心配り」。

その基本をおさえていれば、着物姿はきっとあなたの魅力をより引き出してくれることでしょう。

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監修:加藤咲季
着付師・着付講師。一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。美容師から転身し、24歳で教室を開講。のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。