伊達締めの種類と素材別違い【正絹 vs 化繊】選び方ガイド|初心者~中級者向け

「伊達締めって、種類も素材もいろいろあって…何を選べばいいのかわからない」
そんなふうに感じていませんか?

着物を着るときに欠かせない「伊達締め」ですが、種類も素材も豊富で、特に「正絹と化繊の違い」は悩みどころ。

価格差や手入れのしやすさ、使い心地など、選ぶ際に気になるポイントがたくさんありますよね。
 
この記事では、次のような疑問を解決します。

  • 正絹と化繊の伊達締め、何がどう違うの?
  • 自分の着付けレベルに合った伊達締めはどれ?
  • 季節や用途別におすすめの伊達締めってある?

 
さらに、選ぶ際のコツやお手入れのポイント、初心者でも失敗しにくいおすすめ製品まで網羅的にご紹介。

加藤咲季さんの動画で解説している内容も交えて、わかりやすく丁寧にまとめました。

「なんとなく」で選ばず、あなたにぴったりの伊達締めを見つけて、もっと快適に美しく着物を楽しみましょう。

「伊達締めって何?」初心者にもわかる基本の役割

着物を着るときに、実は見えないところで“着姿の美しさ”を支えているのが「伊達締め」。

初心者の方には「なんだか紐が多くてよくわからない…」という印象があるかもしれませんが、伊達締めはその中でも“着崩れを防ぎ、美しいラインを保つ”ためにとても大切な道具です。

特に、おはしょりや衿合わせの形をキープするためには欠かせません。

ここではまず、伊達締めがどんな役割を担っているのかをわかりやすく解説します。

伊達締めの主な2つの役割(衿合わせ・おはしょり)

伊達締めの一番の役割は、衿の形を固定し、おはしょりを整えることです。

衿元は着物姿の印象を大きく左右する重要なポイント。

しっかり決めた衿元が着ているうちに崩れてしまわないよう、伊達締めで“押さえて固定する”役割があります。

また、腰紐で丈を調整した後にできる「おはしょり」の形も、伊達締めを使うことでピシッと整えることができます。

腰紐だけでは生地が動いてしまいやすく、特に歩いたり座ったりすると乱れがちですが、伊達締めがあることで余計なたるみを抑え、スッキリとした見た目をキープできるのです。

この内容は、加藤咲季さんの動画【伊達締めの種類*初心者向け*】でも詳しく紹介しています。

動画では実際に伊達締めを巻く位置や扱い方がわかりやすく説明されているので、あわせてご覧ください。

コーリンベルトや腰紐との違いとは

着付けに使われる道具には、伊達締め以外にも「腰紐」や「コーリンベルト」などがあります。

これらはそれぞれ用途が異なるため、正しく理解して使い分けることが大切です。

まず「腰紐」は、着物や襦袢の丈を調整したり、仮止めするための道具です。

体に直接締めるもので、比較的細めの紐が使われます。

伊達締めとは役割が異なり、腰紐だけで着姿を整えようとすると、生地がずれやすくなってしまうのです。

一方「コーリンベルト」は、衿元を引っ張って固定するためのゴム製の道具。

クリップ式で留めるので、着物初心者でも扱いやすく人気ですが、伊達締めのように“面で抑える力”は弱いため、補助的な役割に留まります。

つまり、伊達締めは「広い面で体に沿わせて、形をキープする」役目を果たす道具。

腰紐やコーリンベルトと併用することで、より美しく、安定した着姿が完成します。

素材別でわかる!正絹と化繊…あなたに合う伊達締めの選び方

伊達締めを選ぶとき、種類だけでなく「素材」によっても使い勝手が大きく変わります。

特に「正絹(しょうけん)」と「化繊(化学繊維)」の違いは、締め心地・扱いやすさ・価格・洗濯の可否など、多くの面で差が出るポイント。

ここではそれぞれの特徴をわかりやすく比較し、自分に合う一本を見つけるためのヒントをお伝えします。

正絹タイプ(博多織)の魅力と扱い方

正絹製の伊達締め、特に「博多織」は、締めやすくて緩みにくいという特長があります。

生地に適度なハリと摩擦があるため、体にぴったり沿ってくれて、着崩れしにくい着姿を保てるのが魅力。

特にフォーマルな着物や長時間の着用に向いています。

加藤咲季さんも動画の中で、博多織の伊達締めを「締まりやすくて緩みにくい」と紹介しています(※)。

柄には意味が込められているものもあり、着物に合わせた楽しみ方も広がります。

ただし、正絹は汗や湿気に弱いため、お手入れには注意が必要です。

洗濯不可のため、使用後はしっかり陰干しをして、清潔な状態で保管することが大切です。

※参考動画:博多織の献上柄って何?博多織の巻き方で気をつけるポイントとは?

化学繊維タイプ(ポリエステル・ナイロン)のメリット・デメリット

ポリエステルやナイロンなどの化学繊維で作られた伊達締めは、価格が手頃で手に入りやすく、洗濯が可能な点が魅力です。

特に普段着や汗をかきやすい季節には重宝します。

しかし一方で、「ツルツルと滑りやすく、締めたのに緩んでしまいやすい」といったデメリットもあります。

加藤咲季さんも動画の中で、ポリエステル製の伊達締めについて「すぐ緩んでしまうのであまりおすすめではない」と語っています(※)。

初心者でも扱いやすい反面、衿元やおはしょりが崩れやすいので、補助的なクリップなどと併用すると安定感が増します。

参考動画:伊達締めの種類*初心者向け*

綿・麻・メッシュタイプの特徴と季節対応

綿や麻素材、またはメッシュ構造の伊達締めは、通気性の良さと肌触りのやさしさが特徴です。

特に夏場には、正絹よりも快適に使えるため、汗をかきやすい人にはおすすめです。

加藤咲季さんの動画では、綿製の手ぬぐいを使った伊達締めについて「汗を吸ってくれて、気軽に洗える」という点を高く評価しています(※)。

洗濯の手軽さや吸湿性を重視したい方には最適な選択肢です。

ただし、伸縮性が少ないため、体にフィットさせるには巻き方に少しコツが必要。

自分の体型や季節に合わせて、柔軟に選び分けていくのがポイントです。

 ※参考動画タイトル:大久保信子さんオススメの手ぬぐい伊達締めを使ってみた!

形状バリエーションで選ぶ:初心者におすすめの3タイプ

伊達締めには、素材だけでなく“形状”にもさまざまなバリエーションがあります。

とくに初心者の方にとっては、巻きやすさ・締めやすさ・快適さなどが重要なポイント。

ここでは、よく使われている3タイプに絞って、それぞれの使い方や向いている人の特徴を解説します。

通常タイプ(布・二重巻き)の使いやすさ

もっともスタンダードな形状が、布製の通常タイプです。

中央に芯が入っていて、しっかりとしたハリを持たせながら、両端は柔らかく巻きやすい設計になっています。

使い方は、帯のように体に巻いて結ぶだけというシンプルさ。

締め具合を自分で細かく調整できるため、初心者から上級者まで広く愛用されています。

加藤咲季さんも、動画の中で「布タイプはしっかり締められるけれど、素材選びに注意」と説明しています(※)。

とくに正絹や綿など滑りにくい素材で作られたものは、着崩れ防止に非常に効果的です。

※参考動画:伊達締めの種類*初心者向け*

マジックテープ式の簡便さと注意点

マジックテープ(ベルクロ)タイプの伊達締めは、ゴム製の本体を体に回して「ペタッと貼るだけ」で固定できるため、初心者にとって最も簡単な選択肢と言えるでしょう。

時間がないときや着付けに慣れていない方には特に人気があります。

ただし、加藤咲季さんはこのタイプについて「締め加減の調整が難しくて、私はあまり好きではない」と話しています。

体にフィットしているようで、時間が経つとゆるみが出たり、締めすぎて苦しく感じたりするケースもあるのです。

使いやすさと手軽さを重視する方には良い選択ですが、フィット感や耐久性を求める場合は、他のタイプと比較して選ぶとよいでしょう。

シャーリング・クリップなど伸縮・通気タイプの応用

もうひとつの注目タイプが、シャーリング(ゴム入り)やクリップ式といった“応用型伊達締め”です。

とくにシャーリングタイプは、中央がゴムで伸縮する構造になっていて、適度なフィット感と通気性があるため、長時間の着用でも快適さが続きます。

加藤咲季さんも「ゴムタイプは好みが分かれるけれど、私は結構気に入って使っている」と動画で述べています。

一方で、体型や動き方によってはズレやすくなることもあるため、一度使ってみて自分に合うかを確認するのが大切です。

また、クリップ式の伊達締めは、金具で簡単に留められる利便性がある反面、しっかり固定できない場合があるため、補助的に使うことが多いです。

伊達締めを長持ちさせる手入れ&収納方法

伊達締めは、一度購入すれば長く使える着付け道具のひとつです。

ただし、素材によってお手入れの方法や保管の仕方には注意が必要。

とくに正絹はデリケートなので、日々の扱い方によって寿命が大きく左右されます。

ここでは、伊達締めを清潔かつ美しい状態で保つための基本ケアと収納のポイントを紹介します。

使用後の陰干しと汚れケア

着用後の伊達締めは、汗や湿気を含んでいる場合があります。

そのまま収納すると、カビや変色、においの原因になるため、まずは陰干しが基本。

直射日光は色あせや生地の傷みを招くため避け、風通しの良い場所に一晩ほど吊るしておきましょう。

加藤咲季さんも、「手ぬぐい伊達締めは、気軽に洗えて便利」と話しており、通気性のある素材ならではの利便性を実感されています(※)。

特に夏場や汗をかいたときは、小まめにケアを心がけましょう。

※参考動画:大久保信子さんオススメの手ぬぐい伊達締めを使ってみた!

素材別の洗濯可否とクリーニング注意点

素材によっては洗えるものと洗えないものがあるため、取り扱いには注意が必要です。

■正絹(しょうけん)製■

基本的に家庭での洗濯はNG。

水分や摩擦に弱く、生地が傷みやすいため、クリーニングが必要な場合は必ず着物専門の業者に依頼を。

■化繊(ポリエステル・ナイロン)製

多くは洗濯可能。

ただし、洗濯ネットに入れて中性洗剤でやさしく洗い、陰干しで乾かすのがベスト。

■綿・麻・手ぬぐい素材

もっとも扱いやすく、じゃぶじゃぶ洗ってもOK。

洗濯後はシワを伸ばして干すだけで、清潔に保てます。

また、収納時は「たたみジワ」がつかないようにふんわりと畳み、風通しの良い桐箪笥や衣装ケースなどにしまうとよいでしょう。

可能であれば、除湿剤や防虫剤も併用するとさらに安心です。

迷ったらこれ!初心者におすすめの伊達締め3選

「どれを選べば失敗しないの?」という方のために、初心者でも扱いやすく、価格や使い勝手のバランスが取れた伊達締めを3タイプご紹介します。

ここでは加藤咲季さんの動画でも実際に使われているタイプを中心に、使用感や選び方のコツもあわせて解説します。

初めて&普段使い向け!化繊マジックベルト

手軽さを重視するなら、マジックテープ式の化繊ベルトタイプがおすすめです。

体に巻いて「ペタッ」と留めるだけなので、紐を結ぶのが苦手な方でもすぐに使えます。

ゴムの伸縮性でフィット感もあり、普段着や短時間の着用にぴったり。

ただし、加藤咲季さんは動画内で「調整が難しいため、私はあまり好きではない」と話しています(※)。

簡単さの反面、しっかりと締めたい人には物足りないことも。

まずは試してみて、自分に合うか確認するのが安心です。

※参考動画:伊達締めの種類*初心者向け*

本格派にも◎ 正絹博多織の伊達締め

「最初から良いものを使いたい」「着崩れを防ぎたい」という方には、正絹の博多織タイプが最適です。

加藤咲季さんも「締まりやすくて緩みにくい」「滑りにくくて安心」と高く評価しており、動画では実際の締め方も紹介されています(※)。

中心部分が固めで両脇は柔らかい構造のものが多く、自分で巻きやすい設計になっているものがおすすめです。

価格はやや高めですが、フォーマルにも対応でき、長く使える“失敗のない一品”です。

※参考動画:博多織の献上柄って何?

暑い季節や軽装に◎ メッシュ/麻タイプ

夏場やカジュアルな場面には、メッシュや麻素材の伊達締めがぴったりです。

通気性に優れていて、体に優しくフィットするため、暑さを感じにくく快適。

特に、締め付け感が苦手な方や汗をかきやすい方にはおすすめです。

加藤咲季さんも、動画内で「普段着にはメッシュタイプを使っている」と話し、気軽に使える柔らかいタイプの良さを紹介しています(※)。

多少シワが寄っても気にならない場面であれば、扱いやすく洗濯もしやすい万能タイプです。

※参考動画:伊達締めの種類*初心者向け*

まとめ

伊達締めは、ただの“紐”ではなく、美しい着物姿を作るための大切な土台です。

素材や形状によって締め心地や使いやすさが異なるため、自分の着付けレベル・用途・季節に応じた選び方が欠かせません。

初心者には、手軽な化繊やマジックテープ式が心強い味方になります。

一方、着慣れてきたら、滑りにくく締まりの良い正絹博多織など、ワンランク上の伊達締めに挑戦してみてもよいでしょう。

また、手入れや保管方法をきちんと知っていれば、お気に入りの一本を長く使い続けることもできます。

着付けの道具選びは、あなたの着物ライフをぐっと快適に、楽しくしてくれる第一歩。

ぜひ今回の記事を参考に、あなたにぴったりの伊達締めを見つけてください。

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監修:加藤咲季
着付師・着付講師。一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。美容師から転身し、24歳で教室を開講。のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。