
「浴衣ってかわいいけど、帯の結び方が難しそう……」
そんな風に思っていませんか?
夏祭りや花火大会、旅行先などで浴衣を自分で着てみたいと思っても、「どんな帯結びを選べばいいの?」「種類が多すぎて迷う」「崩れたらどうしよう」など、不安になる方も多いはずです。
この記事では、そんな初心者から中級者の女性に向けて、浴衣の帯の「基本的な結び方」や「帯の種類に応じた結び方」「アレンジテクニック」などを、以下の3つのポイントでやさしく解説します。
- 初心者でもできる定番の帯結び(文庫結び・蝶結び・貝の口)
- 帯の種類に合わせた結び方と選び方
- 着くずれを防ぐテクニックとおすすめ補助アイテム
加藤咲季さんの着付け動画をもとに、再現性の高い結び方やコツを紹介していきます。
さらに「ただ結ぶ」だけでなく、「自分らしいスタイルを作る」ためのヒントも満載です。
読み終えたときには、自信を持って浴衣を着こなせるようになるはずです。
あなたの“夏の装い”をもっと自由に、もっと楽しくしていきましょう。
基本の帯結び(初心者向け)
浴衣姿を引き立てるうえで、最もベーシックかつ重要なのが「帯の結び方」です。
とくに初心者にとっては、工程が多く感じられるかもしれませんが、基本の形をマスターすれば応用にもつなげやすくなります。
ここでは、シンプルで美しく、かつ失敗しにくい定番の帯結び「文庫結び」「蝶結び」「貝の口結び」をご紹介します。
加藤咲季さんの動画では、それぞれの手順を丁寧に解説しているので、動画を見ながら手を動かすのもおすすめです。
文庫結び(リボン型)
文庫結びは、リボンのような見た目が愛らしく、最もポピュラーな帯結びの一つです。女性らしさを引き立てる形で、年代を問わず支持されています。
加藤さんの動画、【半幅帯の文庫結びの基本】では、文庫結びを形よく仕上げるためのポイントが詳しく解説されています。
結び方の中で大切なのは、「羽のたたみ方」と「帯の中心の締め方」です。
羽は上下に均等に広げ、帯の中心部分はしっかりと締めておくと、時間が経っても崩れにくくなります。
また、加藤さんは「羽の端が水平になるように意識すること」で、正面から見たときの印象が格段に整うとアドバイスしています。
リボンのように愛らしく、後ろ姿に華を添える文庫結びは、初心者に最初に習得してほしいスタイルです。
蝶結び
蝶結びは文庫結びと似ていますが、羽の中心をやや小さめにし、結び目のアクセントがポイントとなる結び方です。
動きやすく軽やかな印象になるため、カジュアルな浴衣によく合います。
加藤さんは、羽の折り方を「小さく重ねてふわっとさせること」がコツとしています。
帯の幅を活かして丸みを作ると、全体のフォルムがやわらかく、女性らしさが強調されます。
また、帯のたれ先をやや長めに残すことで、後ろ姿に動きが出て可愛らしさが増します。
友達との夏祭りや街歩きなど、カジュアルに楽しみたい日にぴったりの結び方です。
貝の口結び
貝の口結びは、羽根をつくらずシンプルにまとめる帯結びで、大人っぽい浴衣スタイルにぴったりです。
コンパクトで粋な印象を与えるため、「すっきり見せたい」「落ち着いた雰囲気にしたい」ときに適しています。
加藤さんの動画【初心者でもできる!貝の口の結び方】では、結び方のコツとして「折り紙をたたむような感覚で、角がピタッと揃うように整える」ことが大切だと解説しています。
タレと手の長さを均等にし、丁寧に折り重ねていく工程を通じて、左右の出幅や角度をそろえるのが完成度を高めるポイントです。
また、「帯締めを加えることで固定力が上がり、見た目も引き締まる」とのアドバイスもあります。
シンプルでありながら繊細なバランス感覚が求められる結び方だからこそ、着付けに慣れてきた方の次のステップにも適した帯結びといえるでしょう。
帯の種類と結び方の選び方
浴衣の帯にはさまざまな種類があり、それぞれの素材や形状によって最適な結び方が異なります。
「かわいく結んだのに時間が経つと崩れてしまった」「思っていたよりもボリュームが出ない」といった悩みは、帯の選び方が原因であることも少なくありません。
この章では、代表的な帯である「半幅帯」と「兵児帯」について、それぞれの特徴とおすすめの結び方を紹介します。
自分の浴衣スタイルや目的に合った帯を選び、快適で美しい着姿を目指しましょう。
半幅帯の特徴とおすすめ結び
半幅帯は、最もスタンダードな浴衣用帯として広く用いられています。
芯が入っており、形がしっかり保たれるため、美しい結び目をつくりやすいのが特徴です。
程よい張りがあることで、文庫結びや蝶結びなどの基本形から、角出し風やパタパタ結びといったアレンジスタイルまで対応可能です。
また、柄や色にも注目。浴衣の柄が華やかな場合は無地の帯を、逆にシンプルな浴衣には柄入りの帯を選ぶことで、全体のバランスが整います。
使いやすさと美しさを兼ね備えた半幅帯は、最初の一本として非常におすすめです。
兵児帯の魅力とボリュームアレンジ
兵児帯(へこおび)は、やわらかな素材でできた帯で、ふんわりとした印象が特徴です。
とくに大人の女性に人気の“ボリューム感”のあるアレンジがしやすく、体にもなじみやすいため、浴衣初心者にも扱いやすい帯です。
兵児帯はカジュアルな印象が強い反面、結び方によっては大人っぽく、エレガントにも見せることが可能です。
特に夏の野外イベントでは、軽やかさと通気性が重宝されます。
素材に光沢感があるものを選べば、上品な雰囲気も演出できます。
アレンジ結びで差をつける
基本の帯結びに慣れてきたら、次はアレンジ結びに挑戦してみましょう。
浴衣スタイルに“自分らしさ”をプラスできるアレンジは、見る人の目を惹き、後ろ姿に差をつける絶好のチャンスです。
「少し大人っぽく見せたい」「周りとかぶりたくない」と感じている方には特におすすめです。
ここでは、加藤咲季さんが紹介している“変化のある帯結び”を中心に、印象をがらりと変えるテクニックを3つご紹介します。
パタパタ結び
華やかでボリュームのある帯結びを楽しみたい方には、パタパタ結びがおすすめです。
見た目はゴージャスでも、手順自体は意外とシンプルで、初心者でもチャレンジしやすいアレンジ結びです。
加藤さんの動画【半幅帯でパタパタ結び】では、三重仮紐を使用して羽根を順番に重ねていく方法が丁寧に紹介されています。
羽を“パタパタ”と重ねていくように作ることからこの名前がついており、帯の長さによって羽の枚数やボリュームを自由に調整できます。
結び方のポイントは、「羽を左右にふんわりと広げること」と「重ねた羽のバランスを均等に整えること」。
加藤さんは動画内で「帯の長さが長ければ長いほど羽をたくさん作れてより華やかになる」とアドバイスしています。
仕上げに帯揚げや帯締めをプラスすると、華やかさと安定感がアップし、浴衣姿をより印象的に演出できます。
角出し(大人の粋スタイル)
角出し風は、お太鼓系の帯結びを半幅帯で簡単に再現するアレンジスタイルです。
すっきりとした背中のラインと、下にたれる帯先が特徴で、「粋」「大人っぽい」「落ち着いた」印象を与えたいときにぴったりの帯結びです。
加藤咲季さんの動画【半幅帯でカンタン角出し風*画質修正版*】では、まず手の長さを腕の長さで測り、帯を一周巻いた後に「輪を片側に作る」「結び目をしっかり固定する」工程を丁寧に紹介しています。
その後、残りの帯を中に入れ込むようにして形を作り、両脇から“角”が出て帯先が下にたれる「角出し風」のシルエットを完成させます。
最後に帯をふんわり凹ませて後ろに回せば仕上がり。
帯の長さが長い場合は、タレの遊ばせ方に変化をつけることでさらにアレンジが可能です。
年齢やシーンを問わず取り入れやすく、粋な着姿を演出できる帯結びです。
お太鼓風
お太鼓風の帯結びは、格式ある印象と品のある後ろ姿を演出できるスタイルです。
正式な着物用の袋帯でなくても、半幅帯を使ってアレンジすれば、華やかで立体的なお太鼓風に仕上げることができます。
加藤さんの動画【半幅帯のアレンジ*お太鼓風*】では、まず帯を背中で交差させて「斜めに折り上げてから結び、ロックをかける」工程を丁寧に解説しています。
その後、羽根の部分を折り返して挟み込み、後ろに回して形を整えることで、お太鼓のような段差のある仕上がりになります。
さらに帯揚げや帯締めを加えると、完成度が格段にアップ。
帯の長さによって羽の数や厚みを調整することもでき、個性を活かしたアレンジも可能です。
伝統的な雰囲気を大切にしつつも、自分らしさを出したい方にぴったりの帯結びです。
崩れにくくキープするコツと補助アイテム
せっかくきれいに結んだ帯が、時間とともにずれてしまったり、だらんと落ちてしまったりすると気分も台無しです。
とくに夏場の浴衣は汗や動きによって着くずれが起こりやすいため、帯の安定感が仕上がりの美しさを左右します。
この章では、帯結びを崩れにくく保つためのテクニックと、便利な補助アイテムをご紹介します。
ちょっとした工夫で、長時間のお出かけも安心して過ごせるようになります。
着くずれを防ぐための基本テクニック
帯結びを美しくキープするためには、まず「帯の締め加減」が重要です。
加藤さんは、「帯が落ちてくる主な原因は、締めがゆるいか補正不足」としています。
帯を結ぶ前に、胴のラインをタオルなどで補正してフラットにしておくことで、帯がずれにくくなります。
また、体型にくびれがあると帯が下がりやすいため、「腰回りの凹凸を埋めておくこと」が安定感を高めるポイントです。
参考動画:背中の紐が見えてしまうときの対処法
帯結びをサポートする補助アイテム
以下のような補助アイテムを活用することで、結びやすさと持続力の両方を高めることができます:
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帯板(おびいた):帯の前面に差し込むことで、シワやたわみを防止。帯結びの土台が整います。
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仮紐(かりひも):帯を一時的に固定するために使います。結びながら手を離したいときや、羽を作る際に便利です。
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クリップ(帯留めクリップ):帯の羽根や結び目を一時的に仮止めできます。しっかり留めることで形を安定させやすくなります。
加藤さんは「補助アイテムを使うことで、帯結びの完成度が格段に上がる」と繰り返し強調しています。
無理に素手だけで仕上げようとせず、こうした道具を味方にすることで、仕上がりも気持ちもぐっと安定します。
まとめ
浴衣の帯結びにはさまざまな種類があり、基本形からアレンジまでを理解することで、着姿の美しさや個性をより一層引き出せるようになります。
まずは、文庫結び・蝶結び・貝の口といった定番の帯結びから習得することが、安定した着付けの第一歩です。
そこから半幅帯や兵児帯といった帯の種類に応じたスタイルを選び、自分の浴衣やシーンに合った結び方を見つけていきましょう。
さらに、パタパタびや角出し風、お太鼓など、アレンジを加えることで、夏の装いにアクセントをつけることもできます。
そして、クリップ・仮紐・帯板といった補助アイテムを活用することで、長時間でも着崩れにくく、美しい後ろ姿をキープできます。
本記事で紹介した帯結びの多くは、加藤咲季さんのYouTube動画でも詳しく解説しています。
文章での理解と合わせて、動画で手元の動きを確認することで、実践しながら着実に身につけられるはずです。
ぜひあなたらしい浴衣スタイルを楽しんでください。

着付師・着付講師。一般社団法人日本スレンダー着付け協会代表理事。美容師から転身し、24歳で教室を開講。のちにオンライン講座に切り替え、累計2000名以上を指導。着姿の悩みをきっかけに「スレンダーに魅せる着付け術」を研究・体系化。現在はオンライン講座やアパレルブランド運営、SNSの発信を通じて着物の魅力を伝えている。YouTube登録者は3.9万人、Instagramフォロワー1.8万人。